「……何してるんですかそこで」
「報酬作り。カーマも食べる?」
厨房にて、カーマの隣でパフェを作っているオオガミ。
カーマはオオガミの言葉に尚のこと不思議そうに、
「報酬って……私何もしてませんけど」
「ん~……まぁ、無償の愛を受けるという愛もあるのでは」
「……屁理屈ですね。というか、私を愛すって事ですか?」
「まぁ、そういうことで。で、食べるの?」
「貰えるなら貰っておきます。あぁ、それと、どう作るのかも見させて貰いますね。たまにバラキーに要求されて困るんです。毎度適当に作って出してるんですが、不満そうなのがなんとなく私的にイラッとポイントなので」
そう言って、オオガミと同じくらいの身長に変化してオオガミの手元を覗き込むカーマ。
その話を聞いていたオオガミは、苦笑しながら、
「カーマ、まるで親みたいだね。カルデアライフを堪能してるみたいで良かったよ」
「……はぁ? ちょっと待ってください今の会話のどこにそんな要素があったんですか。むしろ苦労しかないんですが?」
「まぁ、うちにはパールさんもアシュヴァッターマンもカルナもラーマも要るからね。片身狭いのはなんとなく分かるけど、でもバラキーとはうまくいってるんでしょ? ならよし。一人でもいれば良いじゃん?」
「はぁ? 何言ってるんですか。ちゃんとバラキー以外とも交流ありますから。これでも子供達には大人気なんですよ私。バカにしないでください」
「ガッツリお姉さんしてるじゃんね。エンジョイしまくりでは?」
「うぐふっ」
オオガミの言葉のナイフが突き刺さるカーマ。
最近特に問題も起こしていないという自覚があったため、ダメージは軽減されているものの突き付けられるとやはり心には刺さるもの。
そういうこともあり落ち込んでいるカーマに、オオガミはさりげなく、
「あぁ、そうだ。カーマ。聖杯いる?」
「……本気で言ってます?」
カーマの疑問に、ただ笑顔を浮かべて答えるオオガミ。
それを見たカーマは深くため息を吐き、
「ステンノ神に渡すのでは?」
「まぁ、それが優先。でも、あと一個あればカーマの分として十分なくらいはある。どうする?」
「……ちなみに、NOと言った場合どうするつもりで?」
「『無償の愛を受けとるのも愛だよね。それとも愛してくれると言うのは嘘?』」
「なるほど。確かにそれは私に対して最大の一手ですね。誰の入れ知恵です?」
「形の無い島の厄介な女神様」
「本人が聞いたら激怒しそうな言い方ですね?」
「ごもっとも。聞かれてたら殺されてるね。それで? 貰ってくれるの?」
「えぇ、貴方の女神の提案に乗ってあげましょう。どういう経緯でそうなったのかなんて、聞いても面白くないですし。じゃあ、さっさとパフェの作り方を見せてください」
「了解。じゃ、再開するよ」
そう言って、オオガミはパフェ作りを再開するのだった。
なんとなくカーマを育成したい私。聖杯注ぎ込みたいのです……でも聖杯が一個足りないんだなぁ……イベントはよ……
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