「なるほどこれがアイアイエー島……」
「あら、案外きれいな所じゃない。悪くないわ」
「……そんなに寒くないのよね……」
アイアイエー島の砂浜に来た三人は、それぞれの感想を呟く。
すると、エウリュアレが靴を脱ぎスカートの裾を持って海に向かっていく。
オオガミとメルトは顔を見合わせ首をかしげるも、そのまま見守る。
「ん~……遊べなくも、ないくらいの温度ね」
そう呟いて戻ろうとしたとき、一際大きい波がエウリュアレを襲い転ばせ、その拍子に全身がずぶ濡れになる。
一瞬の硬直の後に動き出したオオガミによって助けられたエウリュアレは、カタカタと震えながら、いつもの白よりも青くなった満面の笑みで、
「真冬よ」
「今すぐ焚き火しますね!?」
そう言って、薪を集めに走っていくオオガミ。
メルトはそれを見送ってからエウリュアレに近づくと、ラムダに変わり、
「ちょっと動かないで」
「えぇ、お願い」
そう言ってエウリュアレの腕に触れ、体表に付いた塩水と同化して拭い去っていく。
そして、あらかた取り終わったところで手を離し、
「突然どうしたのよ。入れないってわかってたでしょ?」
「来る前に、遊べたら~って言ってたじゃない。本当に無理なのかって思って。現実は今見た通りだけど」
「まぁ、そうよね。季節的にそんなものよね」
少し残念そうに呟く二人。
すると、遠くから声が聞こえてくる。
「はぁ……なんだって私までここに連れて来られなきゃならないんですか。ホワイトデーとか無関係も良い所じゃないです? 私今は女性だから貰う側なんですけど」
「うん? 吾、遊び放題だと聞いて来たのだが、これホワイトデーなのか? うぅむ、変な企画をするのだな、南蛮は……」
「いえ、発祥は貴女の国です」
「え、マジか。吾びっくりなのだが。人とは分からぬものだなぁ……」
「まぁ、どちらにせよ私には無関係な話……いえ、お返しを貰えるはずなんですけど。でもそれって愛されカウントで良いんでしょうか。愛する神として敗北……? いえ、貰うのも愛しポイントでしょうか……」
「……またなにやら小難しいことを考え始めたな……?」
そう言いながらやって来たのは、カーマとバラキーの二人。
そして四人の目が合い、剣呑な雰囲気が流れる。
だが、その雰囲気も長くは続かず、全員が目を逸らした先には薪を抱えて戻ってきたオオガミが。
「……どういう状況?」
「吾が一番知りたい……」
メンバー内で一番まともで、かつ、一番胃が弱いバラキーが苦しそうに手をあげるのだった。
まぁ、メルト様ならこういう乾かし方も出来るでしょう。出来てください。むしろうちのメルトは出来るんですという強気の姿勢!
あ、メイン編成は性別不詳だけを詰め込んだ高コストパーティーという頭のネジが外れてる編成なので。いやぁ、星五4人星四1人は高コスト過ぎてヤバみ……礼装入らない……
次のデート回
-
王道のエウリュアレ
-
メルトしかあるまい
-
技術部二人と散歩でもいいのよ
-
いいから全部だ