「……のぅBB。確かに儂は乗り込もうと言った。言ったがな? 誰もペンギンに襲われたいとは言ってないんじゃよ」
「うふふ。やってくれるじゃないですかメルト……今晩は焼き鳥ですね!」
「……ペンギンは鳥で良いのか……? いや、分類的には鳥類か。うむ。鳥じゃな」
潜水艦でアイアイエー島に向かうノッブとBB。
何故かペンギンの大群に襲われているものの、BBとノッブが手掛けた船にヒビ一つ入らない。
だが、騒音被害はひたすらに響いており、BBは笑顔のまま怒っていた。
「ふふふ……容赦なく倒させてもらいますよ……ノッブ! 浮上です! 全員かっさばいてあげますよ!」
「うむ~……なんか儂より短気ではるかに物騒なんじゃが」
「何か言いました?」
「うんにゃ。何も言っとらんよ。浮上じゃな。任せよ」
そう言って、潜水艦を浮上させるノッブ。
そして浮上したと同時、二人は引きつった顔になる。
「め、メルト……!」
「出待ちかぁ……儂もやるけど、やられたくないものじゃなぁ……」
ペロリと舌なめずりをして楽しそうな、残虐な笑みを浮かべるラムダに、ノッブは降参の姿勢を。BBは門を開いて潜水艦の上に立ち迎撃の姿勢を取る。
「あらBB。貴女も来てたの?」
「えぇ、来てました。というか、知ってましたよね? 小癪にもペンギンをぶつけてきましたし」
「ペンギンじゃなくてリヴァイアサン。間違えないで」
「どう見てもペンギンですが」
「リヴァイアサンよ。次は蹴る」
「……まぁいいです。で、知ってましたよね?」
「いいえ? 近付いてきてたからとりあえず沈めようと思って。だって、邪魔をされたらかなわないもの。不確定要素はちゃんと始末しないとね?」
「ふふ……良い度胸してますね。誰に似たんでしょう?」
「マスターも似たようなことするしなぁ。儂、思い当たる要素しかないんじゃが」
そう言って、潜水艦から出てくるノッブ。
ラムダは微笑みながら、
「まぁ、ノッブは良いわ。というか、人手が足りないから必要。でもBBは厄介だからNGね。お帰り願うわ」
「あ、マジで? じゃあ儂先に行ってるわ。BBは強く生きるんじゃぞ~。ではな~」
「は? いやいやノッブ? なに真っ先に逃げてるんですか? え、懐柔されてるんです? ちょっとメルト! それズルくないですか!?」
「私の作戦じゃないもの。文句ならオオガミに直接言って」
「そうですか……じゃあ、そこを通してもらいますね!」
「それはお断りさせて貰うわ」
そう言って、二人は激突するのだった。
* * *
「メルト遅いね」
「……BBと相性悪いの忘れてるの? どうせ撃退してるんでしょ。ノッブがこっちに向かってるのは見えるもの」
「……バラキー。ちょっと止めてきて~」
「え、吾が行くのか……?」
オオガミに言われ、バラキーは嫌そうな顔をしつつも向かうのだった。
BBちゃんの扱いは未だに酷い……いえ、なんというか、こんな感じが一番な気がしている私がいるんですが……邪神様ですしねぇ……
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ