「……黒幕ですか」
「開口一番にそれってどうなのかしら」
そう言って、にっこりと笑うエウリュアレ。
オオガミはため息を吐きつつ、
「いやまぁ、黒幕でも全然いいんだけど。敵対するなら容赦はしないですし」
「ふふっ、貴方らしいわね。冗談じゃなくて本気なのは去年のギル祭で証明されてるものね。全力だったもの」
「容赦とか一切無かったからね。一撃必殺3ターン狙いの全力だったし」
そう言って、楽しそうに笑うエウリュアレ。
オオガミも楽しそうに笑いながら、
「迷宮を作ってその様子を見てるとか、エウリュアレの大好きそうな事だよね。アステリオスと一緒とか、本当に楽しそうだね」
「えぇ、楽しいわ。貴方といるときとはまた違うのよね。迷宮の奥底で待っているとか、とっても楽しくない?」
「それは……最高そうだ。やりたいねそれ」
「ラスボス感高くて、貴方好きでしょ?」
「めっちゃ好き。最高じゃんね。やっていいの?」
「えぇ。アステリオスを連れて、今度一緒にしましょう」
「……変な企みしてるわね」
そう言って、テントから出てくるラムダ。
ペンギンパーカーの中でぬくぬくとしている小さいペンギンにオオガミは一瞬目を奪われるが、すぐにエウリュアレに視線を戻しつつ、
「まぁ、男の子のロマンだよね。ラスボス」
「人理修復の過程で何度も見たんじゃないの?」
「見るのとするのは違うじゃん……見ててめちゃくちゃ羨ましいんだから……」
「とんでもないこと考えながら人理修復してたのね」
「まぁ、倒すときは全力なのだけどね。敵に対して容赦ないわよ。本当に」
「なんだかんだ非情よね。道理でノッブ達と相性良いはずよ……ノッブ達もそういうの好きそうだもの」
「なるほど。だからノッブと話が合うのか……うん。じゃあ後でラスボスごっこだね」
「ノッブに関しては既にラスボスしてるわよね……色んなタイミングで」
「……そう言われるとそうだね?」
そう言って、納得するオオガミ。
すると、砂浜の方から、
「センパ~イ! お肉焼けましたよ~。バラキーがスゴい勢いで食べてるので早くしないと空になりますよ~」
「暴食鬼を自由にさせたの誰だぁ! カーマだなとりあえず取っておけぇ!」
「私のせいにするとか酷すぎじゃないです!? 今回何もしてないんですけど!?」
ギャーギャーと言いながら砂浜に向かっていくオオガミを見て、エウリュアレは、
「まぁ、私がラスボスとは言い切れないけど。ふふっ、楽しみね」
「ラスボスっぽい風格でよく言うわ。でもまぁ、とりあえず私たちも食べに行きましょ」
そう言って、エウリュアレとラムダも砂浜に向かうのだった。
エウリュアレがハッキリ出てきたなぁ……でもこれは平和ですね。確信を持てる。アステリオス君はかわいいなぁ……!
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ