「トラップ担当だったんだね」
「あら、それ以外あるのかしら。むしろトラップ係をすることが天職よね」
「そんな天職でいいんですか女神様」
「まぁ、貴方をトラップに引っかけるのも良いわよね。ふふっ、楽しみだわ」
「なるほど。それは嫌な予感しかしないね」
そう言って、横に首を振るオオガミ。
エウリュアレはイタズラな笑みを浮かべながら、
「まぁ、その時はメルトでも誘おうかしら」
「なるほど。それは確かに楽しそうだね?」
「……あのトラップを見て楽しそうとか言えるの、本当に強靭な精神よね。どういう思考回路してるのよ」
「まぁ、エウリュアレが即死級トラップを仕掛けてくるとは思わないし」
「あのレーザー見てなかったの?」
「あれくらいならまだ気合で生き残れる範囲……かな」
「見栄張らないの。それで死なれるとか、私も困るわよ」
「じゃあ、そういうトラップはやめてくれる?」
「それは何とも。でも、出来る限り善処してみるわね」
「やらない奴だよねソレ」
「もちろん」
そう言って微笑むエウリュアレに、オオガミは困ったように笑う。
すると、それを見ていたBBが食事の手を止めてポツリと、
「ずっと気になってるんですけど、なんであの二人、自分たちの世界に入り込むんですか」
「いやぁ、昔からあんな感じじゃろ……というか、なんでBBが反応するんじゃ……普通カーマじゃろ?」
「私はもう、そう言う人だろうなぁと思ってたので」
「吾も何度か言ってたしなぁ。今更気にしないし……巻き込まれたくはないなぁと吾思う」
「言いたい放題言われてるわね……」
メルトは呟き、肉の刺さった串をプルプルと震わせながら何とか食べる。
それを横目に見たオオガミが、メルトの手から串を取りつつメルトが食べやすいように持つ。
すると、ノッブが苦笑いをしながら、
「いや、なんというか、いつも通りだな、マスター。奉仕精神旺盛というか。堕落の女神としてアレはどうじゃ?」
「いや、もう完全に手に負えないんですけど。アレはもう堕落させるの至難の業ですよ? アレはもう完全に奉仕するの大好き人間ですから、こっちが自堕落なくらいで良いくらい……あぁ、そう考えるといいコンビですね。メルトさんも、なんだかんだ奉仕させるの好きそうですし」
「なるほど……愛する女神って言うのもあながち嘘じゃないみたいですねぇ……」
「ちょっと、疑ってたんです?」
「まぁ、少しは。疑うのも仕事ですし。サーヴァント間でも秘密ごとって多いですしね」
そう言って、食事を再開するBB。
カーマは不満そうな顔をしつつも、特に何も言わないのだった。
トラップ担当なエウリュアレ……でも割と致死性の高いトラップ満載……まぁ、冷静に考えたらあの姉妹の無理難題って元からこんな感じですよね……越えられないと話にならないのでは?
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ