「あ、メルト」
「あらマスター。日付が変わったから会いに来たのかしら」
「ん~……偶然だけど、そういうことにしておこう」
「余計なこと言わないの。面倒なことになるんだから」
ミミクリーもいなくなり、平和になった空中庭園を歩いていたオオガミとエウリュアレ。
廊下で偶然見かけたメルトはどこか嬉しそうだった。
「そういえば、なんで一日離れてたの?」
「下手な嘘を吐かれてイライラしたくないじゃない?」
「誰も嘘とか吐かないよ……」
「本当に?」
「うわっ、エウリュアレと同じ反応してくるんですけど。どんだけ信用されてないのさ」
「でも信頼はしてるわよ?」
「嘘を吐く事に対する信頼とか不名誉では?」
「そうね」
「否定しないわ」
「そこは嘘でも否定して……?」
しくしくと泣きながら言うオオガミ。
だが、エウリュアレとメルトは楽しそうに笑いながら、
「でもまぁ、完全な勇者とか今更欲しくないわ。面白くないもの」
「くっだらない嘘を言うのは今更気にしないもの。それに、多少の不名誉くらい背負うべきよ」
「メルトの言葉は矛盾では……?」
「昨日言われるのは癪なの。イベントだからってなんでも許されると思わないことね」
「つまりイベントに乗じてやると殺されると?」
「そういうことよ」
「難しいね」
「私のマスターになるってことはそういうことよ」
「つまりいつも通りか」
「そうなるわね」
理不尽なことはいつも通りと納得するオオガミ。
すると、エウリュアレが、
「……ねぇオオガミ? 今私たち以外にこの空中庭園にいるサーヴァントっていたっけ」
「敵とかはいそうだけど……ここは安全地帯だったはず」
「そう……じゃああれは味方かしら」
「あれ?」
不思議そうに聞き返し、自分でも確認してみるオオガミ。
すると、確かに遠くから走ってくる影が見える。
「――――あ、あれマスターよ!」
「本当ですか!? あ、本当ですねそれじゃあ行きますよ! これがモンスタートレインです!」
「それ刑部姫に言うと殴られるやつ」
「どうでもいい情報ですね!」
そんな事を叫びながら走ってくるカーマとバラキーとアビゲイル。
その後ろには大量のゴーレムに魔本。更にはドラゴンやデーモン等がいた。
「ヘルプミー!」
「帰れ人類悪!」
「通常アサシンなのでそこら辺間違えないでくださいよ!?」
「知るかそんな大群押し付けないで!!」
「いいから逃げるわよオオガミ!」
そう叫び、走って来るカーマ達と、それから逃げるオオガミ達。
カーマに背負われているアビゲイルが地道に削っているが、焼け石に水と言う勢いで、しばらくの間逃げ続けるのだった。
当然のごとくレイドで交換素材が集まっていないのでフリークエスト周回。リンゴがないから周回も出来ないの辛いんですよねぇ……ぐむむ。