「よし、帰宅!」
「カルデアじゃないけどね」
「交換素材を集め終わるまでの拠点だから良いんじゃない?」
そう言って、ミレニア城塞に帰ってくるオオガミ達。
一緒に帰って来たカーマ達は瀕死の様子で、
「よ、余裕そうですね……」
「逃げるのは得意中の得意なので」
「速度特化の私が追い付かれるわけ無いじゃない」
「マスターに乗ってた私が追い付かれるわけ無いじゃない」
「メルトさんは納得ですけどエウリュアレさんは一切納得できないんですが」
カーマはそう言って、未だにオオガミに背負われているエウリュアレに言う。
すると、彼女は不思議そうな顔で、
「あら、楽をするのは基本じゃなくて?」
「サーヴァントがそれを言うんですか……」
「サーヴァント以前にか弱い女神よ?」
「自分でそれを言うんですか……」
「諦めてカーマさん。エウリュアレさんはこういう人なの」
「め、面倒な人ですね……」
「カーマも大概だと思うのだが……」
ぼそりと呟くバラキーに、カーマは即座に頭を掴んで持ち上げる。
「ふふっ、バラキー? 誰が面倒ですって?」
「あ~……吾なんだかこれにも慣れてきた……が、それはそれとしてやはり痛い……」
「そうですか。それは大変ですね。で、誰が面倒ですって?」
「吾別にそんなこと言ってない……というか、汝はいつも気にせんだろうが……」
「別に貴女の前なら気にしないですけど、マスターの前でくらいちょっとカッコつけたいですよね」
「吾にそれは分からんなぁ……」
「もう黙っててください」
「うむ……」
そう言って、手を離されて落ちるバラキー。
オオガミはそれを見ながら、
「楽しそうだね?」
「楽しくないですよ。アビゲイルさんもなんか言ってやってください」
「えっ、私は楽しいのだけど……」
「あぁ……そう言えばここには騒がしいのが好きな人が多いんでしたね……」
「あら、違うわよ? 好きなだけじゃなくて、命かけてるの。マスターが」
「……マスターが?」
「えぇ、マスターが」
「……手遅れですね」
「手遅れよ?」
「……当然のような反応が返ってくるのおかしいですね?」
「これが平常運転よ?」
「嫌ですねそれ」
そう言って、嫌そうな顔をするカーマ。
すると、オオガミは、
「なんというか、遊んでいるけど鍛えてると言うか、そんな感じ」
「なるほど……? 面倒そうですね?」
「遊びながら鍛えるのが一番だよ。一歩間違えば刺されるけど」
「危なすぎるんですが……」
「でもいつもやってるわよ?」
「マスターへの負担スゴいですね……」
カーマは呆れたように、オオガミ達を見るのだった。
交換素材頑張んなきゃ……