「さて……今日はメルトの誕生日ということでお祝いをしたい……んですけど、オリュンポスが来てしまったわけですよ」
「そうね……別に誕生日とか気にしないし、何より時代的に私はまだ生まれてないし、ついでに聞きたいのだけどそれ教えたのBBよね」
「BBだよ」
「ちょっと行ってくるわね」
そう言って、部屋を出ていってしまうメルト。
残されたオオガミはベッドに腰掛けながら、
「ん~……とりあえず作っておいたケーキを渡すとして、後は何があるかな」
「それで十分でしょ。むしろ、さっさと異聞帯を突破する方がゆっくり出来るじゃない。すぐに準備していきましょ」
「……それもそうか。それじゃ、全力ダッシュで行きますか」
「えぇ。その方がいいわ」
そう言って、二人は部屋を出る。
* * *
「はぁ、なるほど……そういうことですか」
「うむ。正直儂には再現不可能じゃな」
「神代の機械やばいですね……完全に強すぎるじゃないですか……」
「ギリシャやばいな……」
「これがギリシャの神なんですね……最先端……」
アトランティスのログを見ながらそんなことを話すノッブとBB。
そんな二人の後ろから、
「ねぇBB? 人の誕生日、勝手に教えていいと思ってるの?」
「あ、メルトですか。それ教えたの半年以上前ですよ?」
「マスター、変なこと覚えとるよな……」
「自分の好きな相手の誕生日忘れる人とかいます?」
「……なるほどのぅ」
「ちょっと、本人の知らないところで話し進めるのどうなの?」
「「よくあること」」
「おかしいでしょ……何考えてるの……」
「そんなもんじゃろ」
「私たちの通常運転ですよ? エウリュアレさんはセンパイの外堀埋めようとしてましたし」
「そんなことしてたの?」
「してたんです。今では彼氏彼女超えて夫婦とか噂されてるらしいですよ?」
「……聞いたことあるような気もするわね……私は特に言われてるような気はしないけど……」
「そりゃ、メルトの話はしてないですし」
「ふぅん……そういうこと。理由は分かったわ」
うんうん。と頷くメルト。
BBはそれを見て一息吐き、
「それはそれとして、勝手に誕生日を教えた罪は払ってもらうから」
「えぇ……私殺されるじゃないですか……」
「さらばBB。儂はちょっと外におるわ」
「ストレートに見捨てましたね!?」
「儂巻き込まれたくないし。じゃあなBB~」
「そんなぁ!?」
そう言って、ノッブはその場を去っていく。
残されたBBは顔を青くしながら、
「えっと、刑が軽くなる可能性は……?」
「安心して。皆無よ」
「そうですよね……」
希望を失った目をしながら、BBは無意味な抵抗をするのだった。
はい。誕生日中に書き終わる予定が超過しましたね。マジですか。オリュンポスに意識持ってかれちゃった……