「はぁ……くっそ強かった……」
「お疲れ様。今回は本当にね」
「えぇ。神殺しなんて、本当に良くできたわね。呆れるくらいに」
そう言って、ベッドに倒れているオオガミに寄り添うエウリュアレとメルト。
すると、
「お疲れ様ですセンパイ! こちら記録になりますけどご覧になります?」
「今から……? 流石に辛い……」
「じゃあ私達が見るわ」
「客観的に見てみたいわよね。撮影係お疲れ様BB。それじゃ休んでいいわよ」
「え、私も見ますけど……」
「寝てなさい」
「うっわぁ、理不尽。いや、良いんですけど。それじゃお疲れ様ですセンパイ。回復したらまた~」
「はいは~い。じゃあね~」
そう言って、おとなしく去っていくBB。
記憶媒体を受け取ったエウリュアレは、
「……そう言えば、誰がそれ起動させるの?」
「私が出来るわよ。何年一緒にいると思ってるの」
「それもそうね。一年くらいしかいない私と違って、色んな事を知ってるものね」
「えぇ、何年も振り回されたもの。流石に覚えたわ……」
「暇だったの?」
「暇だったわ。やることないもの」
「それで何を見てたのかしら」
「……コイツのタブレットに入ってる書籍?」
「……とんでもないことしてるのね」
「普通の書籍しかなかったけど」
「面白くないわね」
やれやれ。と首を降る二人。
オオガミはそんな二人に、
「いや、流石に覗かれるの分かってるのに入れられるわけ無いよね……」
「……ってことは、どこかにあるのかしら」
「探してみる?」
「そうね。今なら誰にも邪魔されそうにないし」
「そうね。守護者は寝てるもの」
「や、やめろぉー!」
そう言って、悲鳴をあげるオオガミ。
すると、部屋の扉が開き、
「ふっふっふ……甘いですねお二人とも」
「あら、マシュ。今回のMVPじゃない」
「実際神をほぼ一人で落としてるものね」
「ふふっ、やめてくださいお二人とも」
そう言いながら入ってくるマシュ。
オオガミは嫌な予感を感じながらもそれを見ていると、
「先輩はですね。そう言う本は誰かのところに隠しておくんですよ」
「ふむふむ……イアソン?」
「オリオンかも」
「後輩にして大先輩たるマシュよ。持ってないって発想はないんですか」
「あら、貴方が持っている可能性の方が面白いから却下ね」
「……二人もそこらじゅう歩き回ってるのに持ってるわけないと思うんですけど」
「持ってなくても探すってのが大事よね」
「凄い。全く話を聞いてくれない」
「聞いててなお探そうとしてるのだけどね?」
「という訳で、先輩の周囲のサーヴァントの部屋を探すしかないわけです」
「……最大の要因はきよひーが隠れてる可能性があるからなんだけども」
「という訳で、まずはイアソンさんの部屋から!」
「おっとこれは大惨事」
妙なことに巻き込まれるイアソンの冥福を祈り、オオガミは静かに眠るのだった。
実際マシュが殴り倒したのは笑いましたよ。むっちゃ強い……