「やっほーマイフレンド。元気?」
「あ、マスター。元気っすよ~……って、エウリュアレさんも一緒でしたかすんませんオレ向こうに行ってますね」
「行かせないよマイフレンド」
そう言って、逃げ出そうとするマンドリカルドを捕まえるオオガミ。
エウリュアレは呆れたようにため息を吐くと、
「捕まえる必要あった?」
「まぁ、歩いてるだけだしね。でも暇そうにしてたしちょうどいいかなって」
「あ、そういやマスター。さっきメイド服の人が探してましたよ。特訓とかなんとか」
「……よし。予定変更訓練しよう。マンドリカルド、相手になって」
「は、はぁ……でもオレなんかが教えられることとかありますかね」
「あるある。旅の最中の生活とかね。後は戦闘での立ち回りとか。まぁ、サーヴァントに殺す気で攻撃されたら何も出来ないけど」
マンドリカルドはそれを聞いて嫌そうな顔をすると、
「それ、通常訓練って聞いたんすけど……」
「でも相手が変わると勝手も変わるものだし。例えば孔明先生とかなら軍略とかの全体的な扱い方。ロビンさん達狩人からは森の歩き方。で、マンドリカルドに聞きたいのは旅の注意点。やっぱり地域が変われば物の価値も風習も違うから、そう言うところも気にしないとじゃん? 大雑把なのがほとんどだけど」
「いや、今までもやって来たって聞いたんすけど、今さらオレの知識とか要ります? シャルルマーニュの騎士もいることだし、そっちに聞くべきじゃないっすかね」
「ふはは。もう聞いてるに決まってるじゃん」
「じゃあもう要らないんじゃ……」
「いやいや。ブラダマンテは戦力になるとしても、アストルフォは話通じないから。実質一人からしか聞けてないんだからマイフレンドは参加決定です」
「嘘だろマジかよ。アイツらが未来に行きすぎて話通じねぇとか想定外過ぎる」
そう言って、頭を抱えるマンドリカルド。
それを見たオオガミはニヤリと笑い、
「それに、今ならなんと売り切れ必至のマスター特製クッキーセットがついてきます」
「一気に通販っぽくなったんすけど」
「あれ、苦手だった? それじゃあモーニングセットとか?」
「いや、物の話じゃなくってっすね? 正直クッキーセットの方が嬉しいけど、そうじゃないんすよ」
「あらそう。じゃあ、何がいいわけ?」
「いや、そもそもっすね? マスターとサーヴァントなんですし、命令一つで飛んでいくって話っす」
そう言うマンドリカルドに、オオガミは首をかしげ、
「親しき仲にも礼儀ありだぜマイフレンド。頼み事の報酬は必須でしょ。特に命に関わることだし。むしろ受け取ってくれないと困る。何よりも、マスターとサーヴァントじゃなくて、友達としてありたいしね?」
「……じゃあ、クッキーセットを一緒に食うってのでいいっすか」
「オッケーオッケーウェルカムだぜマイフレンド。そんじゃシミュレーションルームにレッツゴー!」
そう言って、オオガミに続いて、シミュレーションルームに向かうのだった。
唐突なマイフレンド。突然脳裏に閃くものだから即時採用頑張れマイフレンド!