「……悪化してますね」
「うん。超悪化してる」
呆れた顔で、くっついているエウリュアレとメルトにため息を吐くカーマ。
もう見慣れてきている自分が嫌になってきているが、実際いつも通りなのでぐうの音も出ない。
「それで? 今日はどうしたんですか」
「特に用はないけど……まぁ、呼んだだけ。バラキーもいるし」
「……どっちかというと、バラキーの方に用があったわけですか」
「そうともいう。でもカーマを呼んでおくと大人しいので呼んだ」
「とても納得いかないんですけど。何ですか。イタズラすればいいんですか」
「イタズラはノーセンキュー。というより、エウリュアレとメルトが先制攻撃していく」
「理解できない説明をどうも。無敵ですかこの人」
「少なくとも女神バリアがあるうちは」
「そうですか……というか、貴方自身が一番順応してません?」
「むしろこれだけくっつかれて良く理性保ってると褒めてくれません?」
既に半泣きのオオガミに、どこか同情を含んだ顔になるカーマ。
だが、囲んでいる女神達の目が怖いため、咄嗟に目を逸らす。
「それで、私に用はないんですよね。バラキーの周回が終わったら帰っていいですか?」
「あぁいや、カーマはカーマで役目あるから。というか、カーマ自身も周回要員だよ」
「……本気で言ってるんですか」
「冗談で言う必要ある?」
そう言われて、苦い顔になるカーマ。
すると、エウリュアレが、
「どちらにしろ二人とも連れ回すのは確定してるんだから諦めなさい。大丈夫。後衛はピクニックだもの。お弁当におやつにレジャーシートは完備よ」
「いやその心配はしてないです。というかそんなことしないでください遊んでるんじゃないんですよ?」
「あら……最近みんなやってると思ったのだけど……」
「後衛ピクニックは基本では……?」
「周回の常識よね……?」
「えぇ……? そんな感じなんですか……?」
「大体そんな感じ」
「……このマスターにしてこのサーヴァント達あり、って感じですね。なんか納得しました」
呆れたように首を振り、三人を見るカーマは、
「それじゃ、行くときに呼んでください。それまで適当にしてます」
「はいはい。また後でね~」
そう言って、どこかに去っていく。
残された三人は、
「……とりあえず見回り?」
「殿自ら見回りとかどうなってるのかしらね」
「まぁ、まずは足元からってことで」
「暗殺とかされないし大丈夫よ。たぶん」
「怪しいなぁ……!」
そんなことを言いながら、場内を散策するのだった。
ついに朝投稿してますよこいつ! ヤバイですね!!