「ふぬ。明日にはカルデアに帰還か……」
「ですねぇ。なんだかんだマスターさんの周りがドタバタして落ち着いただけのイベントでした」
魔王城の天守の手すりに頬杖をつきながら城下を見下ろすカーマと、食べ終わった団子の竹串を加えてぼんやりと空を見るバラキー。
「ん。まぁ、吾は甘いものが喰えたから良いのだが。汝は?」
「そうですねぇ。きんつばの作り方も知れましたし、和菓子にも挑戦ってところですか」
「和菓子……うむ。よい響きだ……」
そう言って頷くバラキーに、カーマは苦笑いをしつつ、
「帰ったらとりあえず試してみると言うことで。材料も持って帰った方が賢明ですかね」
「そうよな……帰ってもある気はするが、持って帰っても問題はないと思う」
「それじゃ、持って帰ると言うことで。材料を買ってこないとですか……」
「略奪、というのもありよな……」
「確実にマスターさんが気付いて止めに来るじゃないですか。それで持ち帰りも出来なくて終わりとか、そう言うやつですよ」
「む。それは確かに困るな……仕方ない。買うのが一番か……」
うんうんと悩むバラキーに、カーマは頷きつつ、
「まぁ、消費量がエグいので、少量持って帰って自家栽培ですね」
「吾、また
「美味しいお菓子のためなので諦めてください」
「こういうのは吾の仕事じゃないだろうに……」
そう言って、遠い目をするバラキー。
すると、天守に上がって来る音が聞こえ、二人が振り向くと、
「ういろう買ってきましたよ~……って、あれ? なんで私がいるんですか……?」
「うむ。BBが変装してきてな。それはともかく吾のういろうを寄越せ」
「図々しいですね。ちょっと働いてもいいんですよ?」
天守に上がってきたカーマを見て、隣のカーマを指差しつつ言うバラキー。
すると、隣にいたカーマは、瞬く間に姿をBBに変え、不思議そうな顔で、
「あれ、どこでバレました?」
「ん? 最初からだが。だから一度もカーマと呼ばなかったと思うが」
「ついでに聞きますけど、なんで分かったんですか」
「うっ、カーマも聞くか……普通に匂いが違うから分かる。カーマは炎の匂いがするからな」
「奇しくも燃えたせいで分かるの、屈辱なんですけど。他のはないんですか」
「えっ、吾これ責められるのか? だって分かるのに理由なんてそれくらいしかないと思うのだが……あぁ、あと、カーマより危機回避がうまい」
「このういろうは没収ですね」
「えっ、そ、それは聞いてない! 吾聞かれて答えただけだぞ!?」
「これはバラキーの自業自得ですね……」
「納得いかぬ!」
そう叫びういろうを奪い取ろうとするも、的確にカーマが避け、手に入れられないのだった。
BBは無貌の神だしいけるのではと思い実行。実際出来そうだけど、劣化していると言うことで。
あと、危機回避は普通に経験の差。問題児は伊達じゃないのです。