「さて。カッコいい恐竜バーサーカーを呼ぼうとしたわけです」
「……女性ね」
「そこは触れないでほしいな」
「……第2以降は人ね」
「そうだね第三は明らかに人外だよね」
そう言いながら、既に使い果たした石の貯蔵庫に背を向けて言うオオガミ。
エウリュアレとメルトは呆れたようにため息をつき、
「久しぶりに激昂するマシュを見れるかしら」
「家老の後は過労? 可哀想じゃないかしら」
「元凶はハッキリしているから殴り放題なのは事実ね」
「物騒なことを言うじゃん二人とも」
「あら、そうかしら。至っていつも通りじゃない?」
「そうね。召喚して種火も素材も使ったのに肝心の本人はカルデア送りだもの。誰が相手をしているのかしらね」
「……マシュよりもバラキーでは……?」
「……あり得るわね」
「むしろそれ以外無い気もしてきたわ」
うんうん。と頷き、今も必死で対応しているだろうバラキーを思い、オオガミを見て、
「それじゃ、マシュに見つかるまでの間に遊びましょう?」
「最後の思い出かもしれないからちゃんと刻んでおきなさい」
「え、なに? ミンチにでもされるの? マジで? 今素直に死を選ばれたのか?」
そう言って、青い顔をしているオオガミの両腕を引くエウリュアレとメルト。
「……でも、何をしようかしら」
「そうねぇ……普通に町を見て回るのでもいい気がするわ」
「何があるのか見ないで出てきちゃったしね。もう一度じっくり色々見てみたいわ」
「そうだね。ダイス集めて行こうか」
「そうね。ダイス集めから始まるのはちょっと面倒だけど」
「ダイス集め自体はそんな難しくないからさっさとやりましょ」
「サクッと周回して町巡り。遊べるうちに遊ぶ方針で全力ダッシュしていこうか」
そう言って、三人はアキハバラまで戻るのだった。
* * *
「しかしまぁ、人狼は意外と楽しそうでしたねノッブ」
「こういうのは儂苦手なんじゃよねぇ……茶々はうまいんじゃがな」
「坂本さんはどうなんです?」
「口が達者すぎるが隣がポンコツだから怖くない」
「あ~……一人だったら怖い人ってことですか」
「ま、付き竜おるから怖くはないんじゃがな」
そう言いながら、あちらこちらと見て回るノッブとBB。
人狼地域を散策しながら、
「しっかし物々しい雰囲気じゃなぁ……いやまぁ、人狼としては最高のステージなんじゃが」
「でも噛まれただけで即トークンなのは納得いかないですけどね」
「精神異常になってたし是非もないよねっ」
「ゲームにのめり込みすぎは良くないですしね~」
「……AIが言うと意味深じゃな」
「なんですかそれ……」
そんなことを話ながら、細かいところまで作り込みがされている舞台に目を輝かせながら散策を続けるのだった。
違うんだマシュ。礼装もほしかっただけなんだ……重ねる理由がなくても礼装のために回してしまうのは性なんだ……許してくれマシュ……