「……負ける要素なかったね」
「貴方、自分が何年マスターやっているのか自覚あるかしら……」
余裕で圧勝したオオガミに、呆れたため息を吐くエウリュアレ。
メルトがそれを聞いて、
「で、何年してるの?」
「三年以上よ。それがぽっと出のマスターなんかに負けるわけ無いじゃない」
「三年って言っても、みんなが助けてくれた方が多いしねぇ……複雑な気分」
「自分の指揮で生き残ってる方が多いんだから誇りなさいな。立派にマスターしてるわよ」
「……いつにないべた褒め。正直ちょっと泣きそう」
「今日は優しいのね」
「いつも優しいでしょ?」
そう言ってドヤ顔をするエウリュアレ。
メルトとオオガミは苦笑しながら、
「それにしても、第三ゲームができなかったのは残念だったね」
「本当にね。どんなゲームなのか気になったのに」
「ま、帰ってからやるのもいいわね。どれも楽しそうだもの」
「人狼とか得意分野じゃない?」
「あらメルト。それはお互いさまではなくて?」
「否定できないわね。帰ったらやりましょ?」
「一方的に食われそうだなぁ……」
ふふふ。と笑う二人に、オオガミは諦めたように笑う。
「それにしても、まだダイス集めないといけないのよねぇ」
「まぁ、交換素材を集める過程で回るんだし、まだ気にしなくて大丈夫じゃない?」
「最終日ちょっと前くらいに焦って走るのが目に浮かぶわね」
「不吉なこと言うじゃん……」
「今までずっとそうだったじゃない……」
「否定できないね……」
「そういうのを考えると残念よね……」
実際、今回も遅くなるのではないだろうかという予感はあった。
それを察しているエウリュアレは、
「まぁ、リンゴを最低限にしておくのは良いわね。どうせボックスの時に使い果たすのだし」
「貯蓄大事……まぁ、驚くほどの速度で消えるけど」
「使わないときはとことん使わないのに使うときはすぐに消えるのよね」
「本当にすぐなくなるから困りものだよ」
「まぁ、秋の次がクリスマスだしね。正直種火も余ってるからボックスを周回する意味もない気がするけど」
「あれはこう、自分との戦い的なところがあるから」
「そうねぇ……毎度更新しているもの……まぁ、流石にラムダ連打は笑ったけど」
「私を運用するのは良いんだけど、相手くらい選ばない?」
「勝てるなら戦うしかないでしょ。メルトに負けはないんだよ」
「負けがないなら必ず勝つんじゃない……それメルトに休みはないんじゃないの?」
「周回できるかによるけどね。大体メルト優先」
「セイバー以外は大体連れ回されるものね……いえ、構わないけど」
そんな事を言いながら、三人は次の場所を目指す。
初期礼装がやっぱり強いんだなぁ……一対一なら高確率で勝ってくれるので好き。