「水天宮、一年ぶりね」
「メダル一枚100万QPらしいよ?」
「ふぅん……それで900枚あるわけね」
「かごで出てきたもんね」
そう言って、メダルが入ったかごを見て、ため息を吐くオオガミ。
それとは逆に、数枚しかない紫色のメダルを取り出し、
「経験値は、そんな無いみたいだけど」
「そうね……たぶん割合なんだと思うわよ。とりあえず、少しくらいは遊べるわね」
「メルトのステージが始まるまでなら十分じゃない?」
「えぇ。午後から始まりで、今はお昼時。もう食べたのだし、後はショーまでの時間を潰すだけだもの」
そう言って、数枚のメダルを持ってスロットに座るエウリュアレ。
オオガミは後ろからそれを見ながら、
「……勝てそう?」
「バカ言わないで。当然でしょ」
「流石エウリュアレ。これは破産しないね」
「別に、気にしないでしょ」
「まぁそうだけど」
そう言うオオガミに、エウリュアレは少し視線を向け、
「そう言えば、ラムダのピックアップ始まったんでしょ?」
「……まぁ、成果は得られなかったけどね」
「この前溶かしてたし仕方ないと思うけど」
「否定できないね」
「でしょ? だからほら、これあげるわ」
そう言って差し出す30個の聖晶石。
受け取ったオオガミはキョトンとした顔で、
「……いいの?」
「いいに決まってるでしょ。別に、私の絆レベルが上がったからって私に使う必要はないんだし」
「……ありがとう。それじゃ、ショーが終わったら召喚に行ってみるよ」
「えぇ。そうしてちょうだい」
そう言って、ジャラジャラとメダルを入れていくエウリュアレ。
反対に、入れた倍以上にメダルを排出しているスロットを見て、帰るときにはQPが増えていそうな予感がした。
「それで、足りなかったときのあてはあるの?」
「あるよ。まだ色々とやってないクエストがあるし」
「そう。それならいいのだけど。どうせ私の石からは出ないもの」
「……まぁ、エウリュアレは来てくれるね」
「そう言うのはいいの。だからほら、集める準備だけしておきなさいよ」
「うん。任せて、全力疾走だ」
「えぇ、期待してるわ。イベントも忘れないようにね」
「当然。リンゴに制限なんて設けないで最初からクライマックスだよ」
「メルト関連はいつもでしょ」
「そりゃ、メルトのためですし。全力にもなるってものです」
「……ま、私たちにもそれくらいの熱量だし、許すわ。それじゃ、そろそろショーが始まるから移動しましょ」
エウリュアレはそう言って話を切りあげ、オオガミにメダルを回収させてからステージに向かうのだった。
何の成果も、得られませんでしたァァァ!
エウリュアレ様にはお詫びの夢火! これで上限13だぁ!