「……気持ち悪いくらいに上機嫌ですねセンパイ……」
「そりゃあね! エウリュアレの動きが格段に良くなったし今までよりもなおのこと神々しく見えるしそれ故に昔みたいに射たれる立場になった瞬間にあの機動力とイカれた軌道をする矢をどうやって回避するかとかもう考えるだけで頭が痛いからとりあえずここまで逃げてきたわけだよ」
「すっごい怒涛の説明で儂の腹筋破壊する気か?」
さっきよりも引いているBBと、爆笑しているノッブ。
オオガミは目を輝かせながら目が死んでいるという矛盾する二つの要素を兼ね備えており、嬉しいのと絶望とがぶつかり合っているんだろうなとBBは思う。
「それで、件のエウリュアレさんは?」
「今はこやつを捜索中」
「よし。素直に引き渡しましょう」
「待って待ってなんでノッブがそれを知っててBBはそれを実行しようとしてるの!? おかしくない!?」
引っ張り出そうとしているBBに対し、必死で抵抗するオオガミ。
ノッブはそれを呆れた顔で見ながら、
「マスター。残念なことなんじゃが、儂らは食堂組には勝てんくてな……腹が減っては戦は出来ぬ。サーヴァントであっても、昔からの癖である食は大切なんじゃ。そして、その差し押さえ権限を何故かエウリュアレが持ってる。つまり、そういうことじゃよ」
「くっ、コレが女神の手口か……!」
「ちなみに一昨日マスターが石を使いまくったのをマシュにチクったのもエウリュアレじゃよ」
「衝撃の事実なんだけど!?」
「まぁ、面白半分でやってるだろうし、いつも通りと言えばそうなんじゃけどね~。んじゃ、さっさとエウリュアレに売るか」
「や、やめろぉ! って英霊としての筋力まで使ってくるのは流石にズルくないかな! 卑怯じゃないかな!」
「うむ。戦国時代的に言えば、負けた方が悪いということで」
そう言って、容赦なくオオガミを工房から連れ出し、廊下に投げ捨てる二人。
オオガミはすぐに立ち上がると、
「それじゃ、エウリュアレのところに行ってきますか」
「……やっぱお主、直視できなくて逃げてきただけじゃろ」
「照れ隠しで逃げ込む場所じゃないですよここは。エウリュアレさん、マイルームですねてますよ」
「探してるんじゃなかったの?」
「そりゃ長年付き添ったマスターがイメチェンした瞬間に逃げ出したらすねますよ。というか、死にますよ。メンタルが」
「……謝り倒すだけじゃ許してくれそうにないね」
「とりあえず行け。行ったら何をすればいいのか分かるじゃろうて」
「うん。行ってくる」
そう言って、オオガミは走り出し、二人は見送るのだった。
書き終わった瞬間に、オオガミ君、とりあえず磔刑だな。と思った私です。
実際モーション改正ボイス増量マイルームボイスも増量で心臓止まるかと思いましたね。最高だなFGO!