「なんだかんだ言って、無事に終わったのぅ」
「えぇ……本番はこれからよ」
窓の外を眺めつつ、ノッブの呟きに返事をするエウリュアレ。
「そうだねぇ……ついに明かされた新情報。ノッブ、水着だね」
「……あれ、水着って呼んでいいんじゃろうか……」
「……今更よ」
「うんうん……なんというか、今思ったんだけどさぁ……」
「ふむ?」
「なによ」
「いや、浴衣は無いのかなぁって……」
「……夏祭りとか、そういえば無いのぅ。まぁ、そもそもどこでやるんだよって話じゃし」
「ノッブ。もう少し夢を見ようよ」
「夢を見るとの願うのは違うんじゃよ、マスター……」
「そ、そんなことを言われるとは……」
まさかノッブが悟ったような目で肩に手を置き、首を振ってくるなんて思いもしなかったオオガミは、驚きに目を開く。
「それにしても、あれだけ頑張っても、結局消えちゃうのよねぇ……」
「大体いつもそんなもんじゃろ。それに、特殊な島じゃし、仕方あるまい。新たな冒険は続くし、過去を振り返っても手に入るものなど限られるからな。楽しく前を向いて歩くのが一番じゃ」
「……何言ってるのよ、よく意味がわからないわ」
「たまに変なこと言うよね」
「お主ら、容赦ないのぅ……」
突然変なことを言い出す奴に変と言って何が悪い。とでも言いたそうな二人の表情に、思わず頬を引きつらせるノッブ。
「さて……そろそろ、茶々の種火周回の時間も近づいて来ているという事か」
「そうだねぇ……久しぶりの種火周回だよ」
「嬉しそうな顔をしてると思うでしょう? 言ってる本人が死んだ魚のような目をしてるのよ」
「ハハハハハハ」
実際、全サーヴァントよりもマスターの方が働いているのは、これまでの戦いを見ればよく分かる。
「まぁ、その代わりに普通の人間じゃ味わえないような楽しい状況に居るんだからいいんじゃないかしら?」
「そんなこと言われても……その代わりに死ぬような目に何度あってると……」
「何事も代償が付き物よ」
「むぐぐ……仕方なし……エウリュアレの水着が見れたし、それで少し心を落ち着けよう」
「……ねぇノッブ。私、マスターに水着姿見せたっけ?」
「儂が写真で」
「……後でヘラクレスに襲わせましょ」
「何いつもより恐ろしいことを……」
「自業自得よ」
いつの間にか自分の水着写真を見られていたと知り、いつもより若干殺意のこもった視線をノッブに送るエウリュアレ。
ノッブもそれに気付くが今更取り返しはつかないのだった。
「はぁ……別に良いんだけど、私としては次のイベントまで見せないでおきたかったわ」
「ぬぐっ……すまぬ。マスターのしつこさに負けたんじゃ……」
「ちょっと待って。ノッブから先に勧めてきたんだよね?」
「ちょっと何言ってるかわからないんじゃな」
「醜い売り合いねぇ……」
どっちが先に言ってきたかと言い合うオオガミとノッブを見て、エウリュアレは楽しそうに笑うのだった。
ノッブの水着ですよ!! ノッブサマーですよ!! THE・ロックですよ!! ノブナガロックじゃああぁぁぁぁぁぁ!!!
と、ノッブサマーに嬉しさを隠せていない私なのだった。
ちなみに、『ヴィヴ・ラ・フランス!!』と叫んでガチャを回した結果、殴り聖女様が降臨しました。BBちゃんの運命や如何に!