風紀委員組とは言われているが、実際、それぞれがやりたいようにやっていて、たまたま同じところで同じように動いているのが彼らだったりしたのだが、それでもたまに集まってみたりもしている。
つまりは、今日がその日だったりするわけだ。
「それで、今日はなんで集まったんだ?」
「人数も増えたからね……マスターに唆されたりとか、ノッブに唆されたりとか、エウリュアレに唆されたりしそうな人物を上げて行こうかと」
「その三人は最初から何かやるって確定してるのね……」
「そりゃあ、大抵何かある時にはそこにそのうちの誰かはいるからな」
「あ~……なるほど。確かにそれは、主犯格に見えなくもないわね」
「まぁ、あの三人は面倒ごとに首を突っ込むのが好きだからな。仕方ないだろう」
「ふん。で、それを確認して、何の得があるんだ?」
「ふむ。まぁ、即時対処できる程度かな?」
「……なら、別にしなくてもいいんじゃねぇか?」
「……それもそうだね。よし、見回りに行くかな」
「なんで集まったのか、分からないわね!?」
特に理由も無く集まった。と言えなくもない状況に思わずマルタは突っ込むが、代案が思いついているわけでもないので、止められるわけは無いのだった。
* * *
「……のぅ、マスター。儂、思ったんじゃけど」
「何? ノッブ」
「なんというか……儂らとあんま変わらなくね?」
「……まぁ、そういう事もあるよ」
BBとノッブの開発によって生まれた遠隔操作式の移動カメラで様子を見ていた自由奔放フリーダム組は、あっさりと解散した様子を見て、思わずノッブが呟くのも無理はないと思うのだった。
「さて……そろそろ退却せねば、見つかるかもしれんな」
「そうだね。よし、早めに撤退しよう」
「……BB。私、見られてるように見えるんだけど」
「奇遇ですね。私もです」
「…………じゃあ、私は逃げるわね」
「私もちょっと用事があるので、これで」
さっさとカメラを撤退させているオオガミとノッブは気付いていないようだが、一瞬、エルキドゥがこちらを見て、にやりと笑ったように見えた。
なので、即座に二人を見捨て、逃げるエウリュアレとBB。当然、逃げることに集中している二人は、後ろにいた二人が消えたことに気付かないのだった。
「そこの道を右だね」
「うむ。で、ここを突き当たりまで進んで――――よし。これで回収っと」
天井からそのまま落ちてきた移動カメラをキャッチし、作戦終了。とでも言いたげな表情で二人は顔を見合わせ、
「楽しそうだね。それで、何を撮っていたんだい?」
視界の端に映りこんだ風紀委員筆頭に、二人はこの後に起こるであろう事を予感し、絶望するのだった。
冷静に考えると、最初の頃と比べて、エルキドゥの方針が変わってたりするんですよね……初期の頃って、マスター中心だったんですが、最近マスターもシバキ倒す対象になってたり。
いったい何があったんだエルキドゥ……