「なんでじゃーーー!!」
「なんであの神造兵器が回避なんて手にいれてるのよーーー!!」
「勝ち目が思いっきり薄くなったではないかーーー!!」
「……鈴鹿御前がこっち側に着いてくれればワンチャン……!!」
強化クエストにより、気配探知に回避が付与された最強兵器、エルキドゥに悲鳴を上げる四名。
心強い、しかし、敵としては最悪の強化に、絶望したような表情の四人の気持ちは、誰一人として回避を貫けないという事実によって理解出来るであろう。
「くっ……これでは尚更、敵対出来なくなったではないか……!!」
「いいえ……まだよ……! まだ、礼装という最終兵器があるわ!」
「つまり、無敵貫通礼装をつけるということか!」
「えぇ……それをネロに装備させれば、私たちに勝ち目が出来るわ……!」
「吾の羅生門大怨起で強化解除するのも一つだな」
「うむ。で、解除してからネロを叩き込む、というのが一番理想じゃな。なんせ、防御上昇等も一切合切破壊できるからな」
「じゃあ、本番の時はそれで行きましょう。私はとりあえず、男連中を視線で射殺していくわ」
「うっわー……女神の口から出ちゃ行けない言葉が出たよー……」
「マスター。うるさい」
「あっ、はい。すいません」
話に入り込むことすら出来なくなってきたオオガミが、ぼそりと呟いた瞬間にうるさいと言われ、小さくなる。
「しかし、最難関はマルタよな……」
「バスター三積みの脳筋ルーラー……はたして如何に突破するか……」
「そこは、ほら。私が巌窟王を悩殺して攻撃させれば良いんでしょう?」
「ふむ……それもそうじゃな。ということは、如何にエウリュアレを巌窟王のもとへと出せるかが問題ということか」
「えぇ……難易度は高いわ……」
一体、この話題はどこへ行くというのか。そして、本当に抗争を起こすのか。と思いつつ、オオガミは成り行きを見守る。
ただ、一つ言えることは、この自由奔放フリーダム組の主格の一人はオオガミだ。ということだ。まぁ、最近は影が薄くなってきていたりするが、気のせいだと思いたい。
「しかし……バーサーカー組も、下手をすると厄介だぞ? なんせ、神秘殺しがいるからの……」
「えぇ……でも、そこはノッブの
「それもそうか……うむ。では、任されたぞ」
「吾とネロはエルキドゥを。エウリュアレは土方と巌窟王を悩殺し、マルタを。ノッブは頼光を、ということだな。ククク……楽しみだのぅ……」
不気味に笑う三人。明らかに、悪いことを企んでいる顔だった。
ただ、唯一の問題点があるとすれば、全員揃って、厨房勢相手にすると即座に敗北を認める。
そして、その厨房の料理長を勤めているエミヤは、どちらかというと風紀委員組の人間である、ということだ。
胃袋を掴まれたら逃げられない。つまりはそういうことだった。
なんか、既にやらかすつもり全開なんですけど。
そして、このマスターである。いい加減、威厳を取り戻そうぜ、オオガミ……
まぁ、イベント終わるまではメンバーは変えない予定ですけどね。これは威厳回復しない予感……