「先輩が暴れてます……」
「何があったのだ……」
俯いてそう言うマシュに、思わず聞く茨木。
一体何があったのか。そう思うのも無理はなかった。
「いえ、大体いつもと理由は変わらないのですが、今回は素材交換のアイテムの必要数が多いらしく、悲鳴を上げながらいつも通り暴れてます……」
「ふむ……なるほどのぅ。だからエウリュアレがおらんのか」
「はい。先ほどまでリップさんが行っていましたが、今は玉藻さんが行ってます」
「むぅ……吾は何時になったら戦えるのか……」
「えっ? あ、そうですね……そもそも、茨木さんが大活躍できる敵って、どのような敵なんでしょうね?」
「ふむ……どのような敵……か。むぅ、しばし考えてみる」
そう言って、茨木は考え始める。
マシュは茨木が考え始めたのを見て、レースの状況を見る。
「そういえば先輩……結局信長さんをあんまり応援してないですよね……素材考えたら、確かに信長さんを応援するよりも、他の方を応援するのが一番なんですけど」
「マシュ。そう言う事は言っちゃいけないのよ?」
「ナーサリーさん……何時からそこに?」
「マシュがオオガミの愚痴を言ってた辺りからかしら」
「最初からじゃないですか。どうして私は気付かなかったんでしょう……」
「それは、あれよ。わざわざ姿を本に変えて見つからないようにしたもの」
「なんでそこで隠れたんですか」
「理由なんてないわ。思ったままに行動してるだけよ。マスターだってそう言ってたわ」
「先輩は何言ってるんですかもぅ……」
オオガミが自分の知らない所で一体どんな適当な事を言っているのかと思うマシュ。
ちなみに、ナーサリーは、エミヤの屋台で買って来たであろうたこ焼きを食べていた。
「あぁもう、これ以上あんな火山で戦ってたら、焼けちゃうわ。女神の丸焼きとか、誰得よ」
「その時は吾が喰ろうてやろう」
「……想像しちゃったじゃない。次言ったら撃つわよ?」
「それは困る。クククッ、楽しみだのぅ」
「それはどういう意味でかしら? というか、貴女も行けば良いのに……」
「吾も行けるのなら行きたいわ! 行けないであろうが!!」
「あ、あぁ……そうだったわ。マスターがあれだものね……まぁ、コスト面の問題もあるんでしょうけど……」
「コストが足りぬのなら、どうしようもないではないか!!」
「そうね。悪かったわ……えぇ、きっと、次のメインは貴女の活躍できる場所が多くあるわよ。きっと。私の絆礼装をゲットしたって言ってたし。というか、渡したし」
「うむ……それで吾の出番が来ればよいが……」
帰って来たエウリュアレは、茨木と話しつつ、買ってきた焼きそばを食べながら観戦していた。おそらく、APが尽きたのだろう。とマシュは想像する。
「って、エウリュアレさんが戻って来たって事は、先輩も疲れてるんじゃ……えっと、じゃあ、戻りますね」
「行ってらっしゃ~い」
「えぇ、頑張りなさい」
「うむ。ついでに吾の出番を取ってきてくれると嬉しいぞ」
「それは自力で獲得するべきだと思いますので、私は先輩の手助けをしてきますね」
「フフフ。だそうよ? バラキー」
「ぐぬぬ……仕方あるまい。吾自ら赴くしか無かろう……」
スタッフルームに戻って行くマシュを見送りながら、茨木は何時言いに行くかを考えるのだった。
女神の丸焼き……全身日焼けなんじゃないんですかね……溶岩に落ちる予定でもあるんですか? 女神さま……
というか、私的に今回の素材交換がいつもより大変な気がするんですが! 大変な気がするんですが!!
残りチタンプレートが約7800枚とか、意味分からないんですけど!! 他のやつとか、考える気すら起きませんでしたよ!! うわぁぁぁぁ!!!
うん。また水着ネロに癒されてきます。スキルセリフでも可愛いよネロ。『夏の話題を独り占め、だな!』