「……ねぇ、どうしてあんな、私の天敵としか言いようのないのがいるのかしら」
「神性キラーでランサーで宝具封印持ち。これは辛いね」
「……あなたも同じようなモノでしょうが」
「宝具強化でバスター耐性ダウン付与とか、吾としても苦手なのだが……」
そう話している彼女達の話題は、さらっと召喚されたカルナについてだった。
ちなみに、オオガミはマシュに捕まりどこかへ連れて行かれた。おそらく、交換した後隠していた呼符を使用して召喚したというのがばれたのが原因だろう。
「まぁ、味方の間は心強いわよ。全体宝具だから周回も楽になるだろうしね」
「レベルが上がるまでは、しばらく僕の出番は続くだろうけどね」
「
「そ、そうね。全体宝具ランサーがこれ以上増えなければ、大丈夫なんじゃないかしら……」
「そう言うフラグはどうかと思うんだけど!?」
「なんだかんだ言って、ランサー多いじゃない……どうせまだ増えるわよ……」
「アルトリアランサーとかが出ない限り大丈夫じゃないかな!!」
自分の出番が無くなるんじゃないかと危惧するエリザベートに、突然現れてそういうオオガミ。
「ちょっと、どこから出てきたのよ。マシュは?」
「ちゃんとマシュに謝ってから普通にここまで歩いてきたんだけど?」
「……謎の気配遮断ね……」
「牛若丸直伝だしねっ! 中々苦労したのですよこれが。まぁ、これは悪戯程度にしか使えないものだけどね」
「それで、なんで
「理由なんてないねっ! やりたかったからとしか言いようがないねっ!」
「ぐぬぬ……子イヌのくせにぃぃ!!」
「はぁ……なんでたまにあんなふざけるのかなぁ……」
「オオガミはそんなものじゃない。諦めましょ」
「わははは!! 面白い事を考えおるな! っていうか、吾もあれ欲しいのだが!」
オオガミの頬を引っ張りながら怒るエリザベート。
エウリュアレとエルキドゥはそれを見て呆れるが、茨木はそれを見て笑っていた。
「ふぅ……まぁ、カルナが来てくれたのはそれはそれでよかったわ。ただ、エルキドゥ側に行かれたら、私たちに勝ち目が無くなるのだけれど……」
「なんだい? 暴れるなら、今すぐにでも鎮圧するけど?」
「流石に、今この場で始めるとか無謀でしかないから止めておくわ」
「それならいいさ。ただ、本当にしたら本気で相手にするからね?」
「まぁ、覚悟しておくわよ」
一体、何が起こるというのか。そもそも、何をやらかすつもりなのか。
やらかす担当はエウリュアレではないので、エウリュアレも何をするのか気になっていたりするのだが、エルキドゥはエウリュアレも何か企んでいるものだと思っていたりする。
「オオガミ。いい加減にしないと、今度は別の意味でマシュが来るんじゃないかしら?」
「むぁ? ハッ! それもそうか! すまないエリちゃん! スタッフルームに戻るね!!」
「あっ! ちょ、待ちなさーい!!」
走り去っていくオオガミを、全力で追いかけて行くエリザベート。
それを見て、エウリュアレは苦笑いをするのだった。
すり抜けカルナという恐怖。そこはせめて頼光さんでお願いしますよぉ……!!