「エミヤ~!! メイド王による地獄の訓練を切り抜けた褒美をくださいな!!」
「少しの間見ないと思ったら……一体何をしてきたんだ」
「ワイバーンの群れに襲われて死ぬ気で逃走してたりしてたかな!」
「……首謀者を聞いてもいいかい?」
「ノーコメントで。エルキドゥに教えると容赦なく叩き潰しに行きそうだし」
「そうか……まぁ、それは僕が自力で見つけ出すとしようか」
「おぉぅ……そろそろエルキドゥのストッパーが欲しいな。王様来てくれないかな……」
オオガミが食堂に来た時、エミヤに聞かれたことに答えると、そこにいたエルキドゥが満面の笑みで首謀者を聞いてくるので、苦笑いで答えるのだった。
ちなみに、食堂にいたのは、厨房にエミヤ。席にエルキドゥと巌窟王がいた。
「それで、どうして褒美で私のところなんだ?」
「え? メイド王が終わったらエミヤのデザートが来るって言ってたから?」
「……私はそれを聞いていないのだが……」
「えぇ……何してるんですかメイド王……」
「まぁ、別に作る事くらいなんてことないが、何か要望はあるか?」
「ん~……シェフのお任せで!」
「ふむ……分かった。少し時間がかかるが、マスターが満足できるものを用意しよう」
「了解!」
「では、エミヤが料理を作っている間、コーヒーでも飲んで待っているがいい」
「おっ、巌窟王特製コーヒーですか! 楽しみだな!!」
「コーヒーを出すのなら、甘さをもう少し増やしてもいいか……」
「……砂糖多めに入れるんだけど……ダメかな……」
「そうか。それなら、このままでいいな」
巌窟王が入れてくれるコーヒー。バレンタインの時のコーヒーはおいしく飲めたので、期待しているオオガミ。
コーヒーには砂糖を多めに入れるらしいため、エミヤはデザートの甘さを考えつつ作成していく。
「それにしても、マスターがエウリュアレやノッブのどちらかと居ないというのは珍しいな」
「それを言われると困るんだけど……あの二人は今はネロとメイド王と共に狩りに出ていたような……」
「レイシフトでもしたのか?」
「いや、ゲームの話だよ。混ぜてもらおうかと思ったけど、流石に四人そろってたらどうしようもないからね。こっちに来た」
「……待て。それはつまり、あぶれなければここに来なかったというわけか?」
「まぁ、そんな感じ」
「……バッサリ言うな、マスター」
「ん~……そうだね。まぁ、男性サーヴァントとも親睦を深めたいし。別段女性サーヴァントとだけしかいないっていうわけじゃないし」
「まぁ、親睦を深めるのは良いね。ただ……僕には性別は無いけどね」
「……それは考えてなかった……」
完全に想定外と言わんがばかりの表情。エルキドゥはその反応に苦笑いを返した。
「さて、ようやく出来上がった。ついでだ。四皿分作ったから食べようか」
「やったー!」
「良いのか?」
「あぁ、食べてくれ。数を作るのは問題ないからな」
そう言って、エミヤはさっそく、作ったパウンドケーキを配るのだった。
男性サーヴァントがほとんど出てこないので、いい加減出そうかと。マンネリ解消を……
今回はやらかしました……時間ギリギリ過ぎて後から修正を加えてる感じで……時間かかり過ぎました。すいません……