「ねぇマスター? 今、どんな気持ちかしら。女装させられて、その写真をカルデア中にばらまかれた気持ちって、どんな感じなのかしら」
「ノッブさん、似合いますねぇ~!! これはもう、もっと写真を撮って拡散しないとですよねぇ~!!」
「「ゆ、許さんぞ……」」
オオガミを煽るエウリュアレと、ノッブを煽るBB。そして、互いに相手を睨みながら怨嗟の声を漏らすのだった。
「両者同時ノックアウト~! ちなみに、茶々は見てて大笑いしてたからね!! 伯母上への恨みも晴らせて一石二鳥!!」
「そ、そうじゃ……元はと言えば、茶々があんなことを言い出したのが原因ではないか……」
「なんであんなことをしようとしたのか……昨日のテンションが分からないよ……」
「おかげでデスライブ……まだ若干視界が揺れとるんじゃが……」
「奇遇だね……ちょうど俺も同じような気持ちだよ……」
「ふっ……さすが儂のマスター。この程度では倒れぬか……それはそれとして、辱めは報復するからな……」
「ふん……まだ着せてない服は無数にあるんだよ……次はナーサリーみたいな服を着せてやる……」
「や、やめろぉ!! 明らかに似合わぬだろうがぁ!!」
「ミスマッチだね、分かるが実行するのがこの俺だよ!! びっくりするほど似合わなそう!!」
似合わないのはそれとして、絶対着せてやるという気概。それをもっと別の方向に回せよ。と突っ込みたいノッブだが、自分も人の事を言えないので恨みがましい視線を向けるだけである。
と、そこでノッブも何かを思いついたようで、
「じゃ、じゃが、儂も対抗策はあるからな。これ以上やられるのは性に合わぬ。反撃じゃ!!」
「おぉ、第二回戦かな!? して、今回の内容はどうするか!」
対等且つ出来れば命の危険が無い物。そう考える二人。
そして、その二人の視線の先にいるのはエウリュアレだった。BBなら何かとんでもない事を言うと予感したのだろう。
「私? そうねぇ……あぁ、一週間分の食料と水は用意して上げるから、アステリオスの迷宮を踏破で」
「死ぬ!! 全力で死ぬ!! 魔物いるじゃん!!」
「じゃあ他にある?」
「……魔物を如何に倒すかってのが問題なんだけどね……」
「うむ。ならばハンデをやろう。共に二人で行こうじゃないか」
「ふむ……味方の縛りは?」
「特に無しじゃな。まぁ、儂はバラキーを連れて行くか」
「よし分かった!! 巌窟王連れてくるね!!」
そう言って走り去るオオガミ。
全力で走っていくオオガミにその場にいる三人は唖然とするが、冷静に考えると脱出に限って言えば最強性能の人物を連れて来ようとするオオガミに、ノッブは戦慄するのだった。
とりあえず、一週間くらい二人は帰ってきませんね。さらばオオガミ、ノッブ。