「いよっしゃああぁぁぁぁぁぁ!! クリアアアァァァァ!!」
* * *
そう叫んだのが数十分前の事。現在は控室のようなところでぐったりと倒れているオオガミ。
冷静に考えると、この戦いは去年。つまりは、今年の戦いがまだ待っているという事だ。しかも、去年の戦いよりもおそらく強い。それを考えると、一体どうしたものかと考える。
「令呪は全部使い切って、回復待ち……超高難易度はコンティニュー不可だから石に頼る事も出来ないし……まぁ、頑張るしかないか」
「基本、対処的行動だものね。私はもう疲れたわよ」
「そんなこと言われても、エウリュアレがいないと編成がきついんだよ……コスト的に」
「……そうね。まぁ、そうなるわよね。頑張るわよ」
「吾も頑張るぞ。任せるがいい」
「ちょっと。こういう高難易度系は
「それはそれで違うような気がするけども……」
控室で倒れているオオガミの周りに居るのはエウリュアレと茨木、玉藻の三人。今回の主役だったので疲れているはずなのだが、なぜか遊びに来ていた。
おそらくエウリュアレと茨木は集りに来たのだろうと想像できるが、玉藻は恐らく本当にただ遊びに来たのだろう。
「ねぇオオガミ。また屋台に行きましょうよ」
「えぇ……また?」
「えぇ。良いでしょう? まだ色々と見て見たいのよ」
「吾もついて行って良いか?」
「
「……仕方ない、か。じゃあ、皆でちょっと行ってみようかな」
体を起こしつつオオガミがそう言うと、嬉しそうに微笑むエウリュアレ。
茨木と玉藻も楽しみそうな表情をしているので、こういう時位はいいかと思うオオガミ。
「それにしても、何とか勝てたよねぇ……」
「ギリギリもギリギリ。難敵でしたよ」
「吾が先に三人倒したおかげだな。感謝すると良い」
「うん、感謝してるよ。ありがとう二人とも。これからも頑張ってもらうよ」
オオガミの感謝の言葉に気を良くし、続いた言葉に硬直した二人。
当然、まだ半分なのだ。頑張ってもらわないと困る。
「そ、そうであった……まだ半分……半分なのだ……」
「こ、今回の高難易度、多すぎじゃないですか……なんだって、こんな過労死させるような真似を……」
「……この二人と比べて、耐久性も攻撃力も無い私がこの中に加わってるのって、かなりおかしいと思うのよね……」
エウリュアレは呟くも、聞いている人は誰もいない。
その後、散歩をしていたエルキドゥも加えて屋台へと向かうのだった。
ネロ祭……去年のでこれなら、今年は一体どうなるっているんだ……
攻略に一番時間がかかったフィナーレ。はたして今年の戦いに勝てるのだろうか……