「あ~……久しぶりに楽しい戦いだったわ」
「うん、楽しそうに戦ってたよねぇ……」
圧制者キラーを射殺す女神。彼女の前には男は皆ひれ伏すのだろうか。
オオガミはそんなことを思うが、当然そんなわけは無く、ランサー相手には中々渋いのだ。ルーラーも同様に。
「いやぁ……昨日まで必死で考えてたから、今日のは凄い楽だったよ」
「そうね。私も一瞬瀕死になっただけで、その後は一方的に叩いて、気付いたら体力全回復してたわ」
「びっくりだよねぇ……」
「うむうむ。それで、儂は何時になったら活躍できるんじゃ?」
「水着になったらじゃないかな」
「無理じゃろ!! 来年まで無理じゃろ!!」
さらっと会話に紛れ込んできたノッブだったが、オオガミの無慈悲な一言に思わず涙目で叫ぶ。
「どういう事じゃマスター! 儂は使えぬという事か!!」
「NP獲得量と使える場所が限られてるから……」
「く、くそぉ……許せん……どうして儂はこんな扱いなんじゃ……!!」
「大変ね、ノッブ。まぁ頑張りなさい」
「くぅ……エウリュアレの余裕の表情が尚更むかつくのじゃが……!! むかつくのじゃが……!!」
「うふふふふふふ」
不敵な笑みを浮かべるエウリュアレを睨みつけながら涙目でプルプルと震えるノッブ。
オオガミはそれを見て苦笑いをするが、どうしていつもと対応が違うのだろうと思うのだった。
「クックック……残念だったなノッブよ。今回は吾の出番だ」
「バラキー……!!」
「クハハ!! 悔しかったら吾と同じくらい強くなるのだな!!」
「ぬうぅ……!! 来たばかりの頃にあれだけ色々と教えたにもかかわらず、この裏切り……許せん!!」
「ふん。ほとんどエウリュアレが教えてくれていたわ。汝は実質何もしておらぬだろうが」
「なん……じゃと……?」
「……自分がかなりの時間工房に引きこもっているのを知らないのかしら……」
やれやれ、と言いたそうなエウリュアレと茨木。実際、ノッブは工房に籠っている時間の方が長いため、茨木にあれこれ教えたのはエウリュアレだった。
もちろん、工房から出ているときは教えていたりしたのだが。
「まぁまぁ。別に、ノッブは使えないわけじゃないんだし。たんに、タイミングが無いだけなんだからさ」
「それが一番問題なんじゃけどね!!」
「えぇ、私の代わりになれないって事は、かなり問題なのよ」
「吾は別に関係ないのだがな」
「……あれ、そういえばバラキーはなんでここに……?」
「あぁ、そうであった。マスターを呼びに来たのだ。ほれ、行くぞ」
「え、ちょ、えぇ~!?」
突然拉致されるオオガミ。流石の二人もついて行けず、一瞬呆然とした後、急いで追いかけるのだった。
いやぁ……初見一発クリアはやっぱり嬉しいですね。強くなったって感じが凄いですもん。やったぜ。
しかし……ノッブももう少し使えるようにしたいんですけどねぇ……