「よぉマスター。俺を使うなんて、初めてじゃないか?」
「あ、あぁ……うん、よろしくね」
「なんだぁ? 浮かねぇ顔しやがって。何かあるのか?」
一体どう説明したものかと考えるオオガミ。
それもそのはず。今からクー・フーリンを連れて行くのは、流星一条と名乗りつつその実五条ほど叩き付けてくる英霊なのだ。
つまりは、何度も死ぬような一撃を受けてもひたすら気合で耐え続けるという、地獄の様な戦いに出てもらおうとしているわけで。
「ん~……どう説明すればいいのか……ひたすら流星を受け続ける戦いだけどいいの?」
「あ? 別に、構わねぇよ。今回はそういう役割ってこった。なら、精々期待通りにするだけさ」
「おぉ……なんか、めちゃくちゃかっこいいんだけど……というか、冷静に考えると、四肢爆散する様な宝具を4回も気合で耐える彼は何者なのだろうか……」
「へぇ……四肢爆散する様な宝具か……中々面白い宝具を使うじゃねぇの」
「まぁ、結局の所、相手が宝具で自爆してくれるのをひたすら待つだけなんだけどね」
「なぁに、耐えるくらいなんてことはないね。任せとけ」
「……期待してるよ!!」
もはやつなげる言葉は思いつかず、これが一番なんじゃないかと思ったオオガミ。
クー・フーリンも笑っているので、おそらくこれで正解なのだろう。
「さて、じゃあ次はエリちゃんかな」
「じゃあ、俺は先に待ってるとするぜ」
「うん。また後で」
彼はそう言って待機エリアへと行ってしまう。
オオガミはそれを見送った後、人数を集めに歩き回るのだった。
* * *
「……絶望的な戦いだった……」
「なんですかあの流星。威力高すぎですよ……」
「むかつくわ!!
「余も悔しい!! なぜあれほど体力があるのか!! 理不尽としか言えないのだが!!」
それぞれがそれぞれ不満を漏らしているが、結果としては何とか耐えきり、自爆してくれたので問題は無かった。
ただし、当然の如くやられるだけと言うのは不満が出るものだ。
「はぁ。何とかなったけど、正直何度もやりたいような戦いじゃないね」
「先週までのハイパワーと比べたらまだマシなような気がしなくもないですが、そこはそれ。今回も辛い戦いになりそうですねぇ……」
「だねぇ……まぁ、楽しみでもあるんだけどね」
次は一体どんなクエストが来るのかを楽しみにしつつ、なんだかんだ言って本体であるアイテム収集がほとんど終わっていないという事実に頭を悩ませるオオガミ。
「まぁ、なんだかんだ言っても、勝てたからオッケーって事で。お疲れ様!!」
「ぐぬぬ……次こそは何とか!!」
「余も、負けはせぬぞぉ!!」
「えぇ。とはいっても、私は明日も出るんでしょうけどね」
オオガミの声に、悟ったような表情で答える玉藻。
相手にもよるが、ほとんどあっているのだから仕方なかった。
いやぁ……思わずクニキに出張してもらうことになって、その耐久性に驚きを隠せなかった私です。これはスキルを強化するのもいいかもしれない……
最終的にはフレンド星4セイバーネロがガッツ耐久という脳筋のごとき戦いをするという……