「爺は酷いと思う」
「即死だけじゃなくて普通に通常攻撃も痛いんですもん、あの方」
「クリティカルで私が一撃なんですけど!? どういう事なんです!? 訳が分からないんですが!!」
「……ねぇ、私いる必要無くない?」
「エウリュアレはマスコット――――お守りという事で」
「私は一体何なのよ」
その言葉に、その場の全員が「女神だよ」と突っ込みたい衝動を抑え、なんとかスルーする。
「それで、結局どうするのよ」
「う~ん……正直、即死ゲーを何度もやる気力はないから諦めかな。今回は流石に無理だよ」
「あらぁ? センパイ、諦めが早すぎません? もっと粘ってくださいよ。このBBちゃんの試練を越えておいて、あの皇帝に負けるとか許しませんからね?」
「んな無茶な……いや、出来るだけ抗っては見るけど、正直高難易度に時間を取られてるとメダルが足りないわけです。なんで、先に周回行ってくるね!」
「あっ! ちょっと、センパイ! 逃げないでください!」
BBが引き留めようとするもすでに遅く、オオガミは走り去った後だった。
置いていかれた彼女らは呆然とするが、ふと思い出したようにマシュが口を開く。
「そういえば、さっき見たらQPも素材もゴッソリ無くなっていたんですが、誰か知っていますか?」
「BBちゃんは知りませんよ? あの注射器の中身は実費ですし」
「
「あぁ……そういえば、さっきメドゥーサが最終再臨した上にスキルレベルも大きく上がっていたわね」
エウリュアレのその一言に、その場の全員が硬直し、エウリュアレを見る。
「え、エウリュアレさん。その話、本当ですか?」
「嘘言ってどうするのよ。あ、メドゥーサと言っても、ランサーの方よ?」
「ほー。へー。ふぅーん。センパイ、そんなことしてたんですねぇ……まぁ、理由は大体察しが付くんですけど」
「前々から、悩殺パーティーを組みたいって言ってましたもんねぇ。そこに魅了持ちが来たら確かにそうなるかもしれませんけど、どうなんですかね?」
「……貴女達、そもそも槍系統は全く関係ないじゃない」
「「それはそれ! これはこれです!!」」
息のピッタリ合ったBBと玉藻の一言に気圧され、エウリュアレは静かになる。
二人はその勢いのまま顔を見合わせると、
「これはもう直談判しかないです!」
「当然です! という事で、私たちはこれで!」
「あ、私もついていきますよ!」
走り去るBBと玉藻を追いかけるマシュ。
エウリュアレはそれについていかず、一呼吸置いた後、
「さて、メドゥーサのところにでも行きましょうか」
そう言って、歩き出すのだった。
BBが即死耐性高いって聞いたので運用したんですけど、通常で死ぬのはどうすれば良いんですかねこれ。無理なんですが。
という事で、今回は最悪来年に持ち越し事案ですね。精進せねば。