「……正直、想定外なんですが」
「花びら、集まらないわね」
「こんなもんをちんたら集めてるより、普通に周回した方が良いんじゃないのかい?」
「いやいや船長。一攫千金は目指すべきですよ。というかこっちの方が圧倒的に効率良かったりするわけですよ」
「ふむ……確かに、こっちの方が良いかもねぇ。というか、すでに20箱分は集まってるじゃないか」
ドレイク船長の疑問に、オオガミは胸を張って応える。
「それで足りるなら苦労しないよ!!」
目標100箱。現在25箱分。開封済み11箱である。
圧倒的に間に合わないのだが、それでも諦めないで全力で果実を喰らい周回していくオオガミ。それに付き合わされているドレイクとエウリュアレも大変なモノだが、もはや慣れたものなので問題はない。
しかし、今までとはけた違いのレベルで周回しているので、若干心配している点もあるのだろう。
「うぅむ……礼装もポロポロ落ち始めたから楽になると思ったけど、見込みが甘かったか……これ、終わらない気がする……」
「ちょっと、諦めたような事を言わないでよ。さっきまであれだけ諦めないような事を言っておきながらその発言はどうかと思うわ」
「いや、頑張るけどね? 最後まで全力疾走するけどね?」
「頼むよマスター。諦めるなんて性に合わないじゃないか」
「当然、諦めないわよね。私のマスターですもの」
「……諦めないって言ってるつもりなんだけどねぇ……?」
どうやら信じられていないというか、からかわれているような感じがするオオガミだったが、大体いつもの事なので別に気にするような事は無い。
しかし、本当に花びらが集め終わらないのは、流石にどうしようもない。
「うぅむ……やっぱり、メダルとか無視してバラだけを集めるべきだったかな……」
「そうねぇ……まぁ、私もそう思うわよ? 高難易度とか、完全に疲れただけだったし」
「明らかに攻略させる気が無いのとかあったしねぇ。むしろ、ああいうのをクリアできる連中が凄いよ。アタシらには無理なもんも多いさね。その中で3つ以外は何とかクリアしたんだ。大いに祝おうじゃないか」
「むむぅ……凄い複雑な気分……結局勝ててないんだよなぁ……」
「だから、来年またやればいいのよ。それに、来年ならあの英雄王にも報復が出来るわ……」
「……悩殺する気ですか女神さま」
「圧倒的な攻撃力で私の事を一撃で屠ってくれたこと、忘れないからね……うふふふふふふ……」
エウリュアレの目が怪しくなってきた辺りで嫌な予感がし始めたオオガミは、とりあえず再出撃の為の果実をかじるのだった。
しかし、久しぶりにドレイク船長をこの作品で見た気がする……うぅむ、完全にエウリュアレとノッブの影に隠れておるぞぅ……エリちゃんとかネロも最近出てきてないし……最近目立ってきてるのはバラキー……?
それは置いておいて、えぇ、はい。本当に集まらないんですが。なんだこれは……花びらってここまで難関だったのか……想像以上ですよこれは……!!
50箱で限界そうな予感……やれるだけはやりますけどね。