「やっぱりゴルゴーン三姉妹は信頼できるね!!」
「ゴリ押しだったくせに、何を言っているのかしら。結局令呪も切ってるし」
休憩室でそんなことを叫んだオオガミに、即座に突っ込みを入れるエウリュアレ。
いつも通り高難易度を終わらせ、帰って来たところである。
「それはそれ! 勝ったからチャラって事で!! 三日以内に令呪を使う予定ないしね!!」
「そうですね。とはいっても、その三姉妹。私がいなかったのはなぜでしょう?」
「あっ……ステンノ様……そのですね……色々ありまして、その……すいません」
「うふふ。別に、怒ってはいませんよ。それに、メドゥーサが活躍したみたいですし」
「はい……メドゥーサが一人でエリちゃんのHPを二ゲージ削ってくれたんで、引き返せるわけねぇだろという心情でした……」
公式で禁止技とされた秘技を繰り出しつつ、一人で頑張ったメドゥーサの為に令呪を切り、残った体力を削り切ったのは、仕方のない事だと思いたい。
「ところで、そのメドゥーサは?」
「部屋にいるみたいよ。というか、それくらい把握しておきなさいよ」
「そんなこと言われましても……というか、逆になんで知ってるのさ……」
「そりゃ、見ていたもの」
「あぁ……なるほど……うん。とりあえずここに呼ぶっていうのはありでしょうか」
「いえ、ここは貴方のマイルームに行きましょう。おそらくそこなら私たちがいるなんて思われないでしょうし」
「なるほど……? じゃあ、俺が呼びに行って、エウリュアレ達が準備をしてるって感じで良い?」
「えぇ、構わないわ。
「えぇ、構わないわ。
「じゃあ、また後で」
「えぇ。ちゃんと連れて来てね。マスター」
「規定していますわ。マスターさん」
オオガミはそのまま部屋から出て行き、エウリュアレとステンノは微笑んで持って行くものを選別しに行く。
* * *
「それで、貴方は何を企んでいるんですか?」
「別に何も企んでないけど……普通にお祝いと言いますか。実際、メドゥーサが今回ほとんど倒してくれたようなものだし」
「姉様が即座に退場してしまったのは、マスターのせいかと」
「仕方ないじゃん!? ランサー相手にアーチャーが善戦出来ただけでも中々いいかと思うんだけど!?」
実際、エウリュアレが即退場したのは編成が原因だ。やり直すことも考えていたのだが、想像以上にメドゥーサが耐え、残り一ゲージにまでしてくれたので、流石にここで令呪を使うわけにはいかない。と思ったのが、やり直さなかった原因だ。
「まぁ、そんなことは置いておいて、マイルームに入ろうよ」
「むぅ……何かを隠しているような気がしますが、その時はその時です。入ります」
そう言うと、メドゥーサは部屋に入る。
「お疲れメドゥーサ。お茶にしましょ」
「お疲れ様、メドゥーサ。楽しかったかしら?」
「姉様達……もしかして、マスターがここに私を呼んだのって、このため……?」
「うん。というか、普通にお祝いと言うのは変わらないんだけどね……?」
「えぇ。お菓子も用意したわ」
「えぇ。紅茶も用意したわ」
「って事で、お茶会って感じで。大丈夫?」
「……はい、分かりました。姉様といるのはちょっと緊張しますけどね」
そういって、四人はお茶会をするのだった。
令呪三画はやっぱり必要経費ですよね。仕方ないです。
しかし、頑張れば何とかなったような……まぁ、意地になったのがいけなかったんですよ。はい。