「ここでデザートを食べるのも、久しぶりな気がするわ」
「そうだね……うん、なんというか、平和だね」
「……あの、ズタ袋の回収はどうするんですか?」
「そうですね。まだ全然足りませんから」
「まぁ、もう少し後でいいんじゃないかな」
オオガミはそう言うと、スイートポテトを一口食べる。
最後に休憩室でのんびりと食べたのは何時の事だったか。もう覚えていないのだが、それだけイベントが立て続けにあったということだろう。
そして、いつもと違う事があるとすれば、エウリュアレとオオガミだけでなく、ここにはステンノとメドゥーサもいるという事だろう。
「それにしても、QPが枯渇したのは想像以上だったわ。スキルレベルが上がらないじゃない」
「本当にね。後ちょっとなのに……」
「……ちょっと集めてきなさいよ」
「えぇ……スキルマするにはちょっと……イベントやりたいです」
「むぅ……じゃあ、ちゃんと素材を取って来なさいよ。頑張りなさい」
「頑張るよ。というか、普通に全素材集めてからQP集めに行くよ。流石に何日かの猶予はあるはず……」
オオガミはそう呟いて、紅茶を飲む。
エウリュアレはスイートポテトを口に含み、もぐもぐしながらじぃっとオオガミを見ていた。
「ん? どうかしたの?」
「ん~ん。別に? なんか、今思うと、貴方の周りって、女神が多いと思っただけよ。どちらかと言うと神性持ちかしら?
「そうでもないと思うんだけどね。というか、どちらかと言うと、連れて行っているのが偶然大体神性がついているだけどいいますか……」
「そうなんです? 狙って入れているのではなく?」
「狙ってるつもりはないんだけどねぇ……」
「そうですか……まぁ、私たちは全員神性を持っていますし、付与されるのは当然ですけどね」
「まあね。というか、どうしてこうも神性が多いのかな……」
「普通に使いやすいのが多いもの。仕方ないわ」
「そうですね。私たちもマスターに良く駆り出されますし」
「あの……それはマスターの趣味が入っていると思うのですが……」
「メドゥーサ、それ以上は言っちゃいけない。というか、冷静に考えるとこの状況は結構とんでもないものだと思う」
「……それを言われると納得せざるを得ないのですが、そもそもこんな状況になっているのが不思議と言いますか……」
ゴルゴーン三姉妹に囲まれ、のんびりとお茶をするオオガミ。
自然にいるが、男性にとってこの三人の中に入ってくるのは中々の精神力である。全員美声の魅了持ちだ。
「まぁ、すでに魅了に掛かってるようなもんだし、問題ないんじゃないかな」
「なんですかそれ……」
「そりゃ、大体私と居るんだもの。そうなるわよね」
「随分と仲がいいみたいね。
「えぇ、楽しいわよ
二人は笑い合い、苦笑いでそれを見ているメドゥーサ。オオガミは自然な様子で紅茶を飲んでいた。
しばらく四人は談笑し、オオガミが眠くなった辺りで解散するのだった。
久しぶりのデザート回。久しぶりすぎて、最後にやったのがいつだったか全く覚えてない上に、何を出したかうろ覚えという。
しかし、ノッブたちが出てこないという事件。