今日のカルデア   作:大神 龍

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儂の影、何時の間にか薄くなっとるよね(大体そんなものですよ)

「儂、影薄いんじゃが」

「突然何を言っているんですかノッブさん」

「そうよ! というか、私はそれよりも、マスターがお茶会に誘ってくれなかったのに怒っているのだわ!」

「ほれ、そんなお主にはこのバタークッキーをやろう」

「わーい!」

 

 ナーサリーはノッブがつまんで差し出したクッキーを、ノッブの指ごと食べる。

 ノッブは数瞬硬直した後、何とか引き剥がすと、話に戻る。

 

「いやな? 儂も最近工房に籠っておったのも原因の一つだと思うんじゃけど、それはそれとして、やはり忘れ去られとると思うんじゃよ」

「それを私に相談されましても……私もアガルタが解放された辺りから、高難易度でしか出番はないですし。通信もいいんですが、やっぱり先輩と一緒に戦いたいです」

「あ~……そう言う意味じゃないんじゃが……まぁ、儂も戦いたいのは変わらぬが、それ以前に最近マスターと話してないってわけじゃよ」

「あぁ、そういうことですか。そういえば私もあんまり話してないような……エウリュアレさんたちと居るのはよく見るんですけどね」

「うぅむ。大体ランサーメドゥーサが出てきた辺りからじゃよな。その後ステンノが来て、その後マスターは三人のスキル上げに必死じゃし。というか、おかげでQPが枯渇しておるんじゃけど。これ、儂がキレても許されるよネ!!」

「それはやっちゃってください。というか、先輩はいい加減節制というものを覚えないと後で後悔すると思うんです」

「あやつ、メルトリリス、メルトリリスと言っておきながら、石を集める気配が微塵も無いんじゃが……」

 

 溜まるどころか、手に入れたと同時に消えて行く石。3個以上にならないという状況に、マシュも流石に頭を抱えているようだった。

 とはいっても、聖晶片は基本溜まっていくので、地味に増えてはいるのだった。

 

「それで、ナーサリー。クッキーはおいしいか? 儂の指まで食う勢いなんじゃが」

「むぐむぐ。えぇ、おいしいわ。とってもね」

「そうかそうか。それはよかった。ところで、徐々に儂の指をかむ力が強くなっていくのはどういう事なんじゃ?」

「むぐむぐ。知らないわ。気のせいじゃない? むぐむぐ」

「絶対わざとじゃろ……いや、別に噛み切られさえしなきゃいいんじゃが」

 

 先ほどからずっとナーサリーの口の中に入れていたクッキーは皿の上から無くなり、何を思ったのか、そのままノッブの指を食べ始めていたので、流石に何をしたいのか聞くノッブ。

 ナーサリーは答えはしなかったが、満面の笑みを浮かべていたので、とりあえずノッブは多少の負傷は覚悟したのだった。




 石が増えないのは問題しかないんですが。いや、まぁ、全部ハロウィンガチャにつぎ込んでるのが問題なんですけど……

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