何とかイベントを切り抜けたよ…(しかしてイベントはもう目の前に迫っている)
「終わったねぇ……」
「終わったのぅ……」
「砂金もギリギリ集まったし、大勝利だね」
「そうじゃの。それも儂が頑張らねば不可能じゃったし、もっと感謝するが良い」
イベントも無事終わり、平和が戻ってきたカルデア。
金色の茶室擬きのマイルームはすでに手を加えられ、いつもの白い部屋――――ではなく、月光差し込む趣のある部屋に改装されていた。
地下なのにどうして月光が差し込むような感じがするのか気になるが、そもそもあの内装を瞬時に切り替える方法を知らないので、謎技術の一端なのだろう。と適当に解釈する。
考えない方が良いこともあるのだ。
「しかし、新たな魔術礼装とやらは使えるのか?」
「さぁ? 実戦で使ってみるまで分からないけどね。まぁ、それでも戦闘礼装を使い続けるつもりだけど」
「新しいことに目を向けるのも重要じゃよ。マスター」
「それは英霊を召喚しろってことかな? ノッブ」
「誰もそんなこと言っとらんから。早とちりするでないわ」
残っている最後の呼符を切ろうかと言わんがばかりの表情を浮かべるマスターに冷静に突っ込むノッブ。
「流石に本気で使いはしないよ。まだね」
「う、うむ……いや、別に良いのじゃが、無理はするでないぞ?」
「分かってるよ。とりあえず、種火周回だよね」
「そうじゃのぅ…儂に聖杯を使っておれば乗り気だったんじゃがの」
「残念。貢献率が違うよ」
「くっ…儂がもっと早くからおれば…!!」
「まぁ……趣味も幾分か入ってるんだけども」
「酷い現実じゃ!!」
仕方ないのだ。エウリュアレは6章からずっとメインアタッカーだったのだから。
特にキャメロットと新宿では大活躍だった。今なおわんこと対峙するにはエウリュアレを連れて行きたいと心の底から思うほどには。
「よし、とりあえず種火周回をするのが一番だね。今日は弓と杖だし、育てたい人はいるしね」
「儂は旨味が無いから辞退するからの」
「分かってるよ。というか、ノッブはセイバーの時に戦ってもらうから。今日はエリちゃんとドレイク船長がメインだからね。じゃ、行ってくるね」
「頑張るのじゃぞー」
オオガミはそう言ってマイルームを出て行く。
ノッブはそれを見送り、さて。と呟く。
「うむ。やはりあの金色な部屋よりこっちの方が断然良いの。あんな趣味の悪い部屋なんぞ、無くなって当然じゃ」
「茶々はそんな嫌いじゃないけどなぁ」
「いえ、さすがにアレは目が痛いので止めてほしいです」
当然の様に部屋の中にいる茶々と静謐のハサン。
「いつからおったんじゃお主ら」
「茶々は今来たよ?」
「私は最初からずっといました」
「「えっ。セキュリティ、ザルじゃね? この部屋」」
いまさら何を。と誰かが突っ込みそうだが、突っ込みは不在だった。
「それで、なんで来たんじゃ?」
「理由は無いよ!」
「マスターを観察してただけです」
「こ、怖いの…よし。儂はもう帰るから、後は二人で留守番頼むぞ」
「分かったよ!」
「任せてください」
ノッブはそう言って、部屋を出て行った。
その後二人が何をしていたのか。それを知るものは誰もいなかった。
恐ろしい…事件だった…。砂金が800個必要だったのに、途中で勘違いして1000個集めるという無駄とも言い切れない作業をしてしまった…
結果的に全部集まりましたけどね!よかったよかった!