「……珍しい組み合わせよね、コレ。どうしてこうなったのかしら」
「まぁ、確かに珍しいよ。風紀委員とか言われている僕が問題児の一人である君の正面にいるんだからね」
「全くよ。というか、マシュは結局どっち側なのよ」
「えっ、私ですか? というか、何がですか……?」
休憩室で若干険悪な雰囲気を出しているエリザベートとエルキドゥ。
なぜか間に挟まれているマシュは、一体何を聞かれているのかと考え、おそらく派閥の話だろうと気付く。
マシュが気付いたことに気付かないエリザベートは、マシュの疑問に答える。
「エルキドゥ達みたいな風紀委員組か、
「いや、私はその……中立区域ですかね……一応カルデア三大派閥の一つですよ……?」
「中立!? そんな面白くない所にいるの!?
「何言ってるんだ君は。そんなわけないだろう? マシュが行くとしたら僕たちと同じ風紀委員組だよ」
「いえ、あの、どっちにも入らないと……」
マシュの意見はどこへやら。中立など許さなそうな二人の勢いに気圧されるマシュは、はたしてどうやってこの場をやり過ごすかを考えるが、当然思いつくわけも無く。
しかし、そこに現れる救世主が一人。
「やって来たぞ、私だっ!」
「先輩! ……って、何してるんですか……?」
「な、何そのポーズ! ちょ、
「……そういえば、何時からか問題児筆頭はマスターになっていたね。それで、マシュの扱いはどうなっているのかな?」
中二病全開ポーズを取りながら登場したオオガミに、ジト目で反応するマシュと、目を輝かせて同じポーズをとるエリザベート。そして、その一切を無視してオオガミにマシュの立ち位置を聞くエルキドゥ。
オオガミはとりあえずエルキドゥの疑問から答えて行くとする。
「マシュはほら、どっちにもなるから中立だよ。平和枠だし」
「平和枠は中立なの!?」
「まぁ、風紀委員組と問題児組は基本戦争状態だからね。平和枠が中立になるのも納得だよ」
「良かった……これで私がどっちかに分けられていたら、戦争に駆り出されそうですし……」
なお、戦争をするときはオオガミが問題児筆頭。エルキドゥが風紀委員筆頭として戦争を始める。
自分のマスターが敵軍にいるのだが、良いのかと突っ込みたい人はいるのだろう。もちろん、分かっていてやるのだが。
「それで、どうしてそんな話に?」
「この三人が揃った瞬間から、完全に起爆寸前でしたよ……というか、主にエリザベートさんが……」
「何よ。大体いつもこんな感じじゃない。そもそも、こいつは自分からは滅多に仕掛けてこないし」
「当然だろう? 規律を守るのに、自ら乱してどうするんだ」
「……起爆寸前だよねどう見ても」
だが実際、二人は本気で争うことはないのだろう。と、どこか楽観して考えているオオガミがいたのだった。
絶対仲良くないというか、分かりあっていない感じ全開の初期メンバー二人。
本当はヘラクレスもいるんですが、流石に書けないです……