「うぅむ……この『うえはーす』とやら……味は別としても、パサパサして微妙なのだが……」
「それだけで食べるからよ……私のアイスクリームをつけて食べなさいな」
「うむ……むぐっ……おぉ! これはうまい!! 少し付け足すだけでここまで変わるとはな! そうだ。この前のイベントの時の、『ちょこれーと』とやらも持って来よう!!」
走っていく茨木を見送るエウリュアレ。そんなエウリュアレを見て苦笑いになるノッブ。
現在休憩室の扉をエルキドゥとペンテシレイアが修理している。
「なんというか、こんな感じのやり取りが久しぶりな気がするのぅ」
「……そりゃ、私は最近ずっとオオガミの部屋に入り浸っていたしね。私もここに来るのは久しぶりよ」
「あ~……なるほどのぅ。それで、なんで今日に限ってここに来たんじゃ?」
「……イベント終わって、全員宝物庫を襲撃しに行ったから……」
「……ついに、置いて行かれるようになったんじゃなぁって……」
しみじみと言うノッブに、頬を膨らませて不機嫌そうな雰囲気を露わにするエウリュアレ。
しかし、ノッブが置いていかれていたのは大体いつもの事だったので、あまり強く文句が言えないエウリュアレ。
「全く……バラキーがいるから退屈しないで済んでるけど、最初の時みたいに二人だったら場が荒れてたわよ」
「一体何する気だったんじゃお主……」
「何をするかは考えてないけど、何かをするか考える所だったわ」
「なるほどのぅ。まぁ、何にしても、バラキーに救われたわけじゃな、マスターは」
「えぇ。見ていて面白いわ。本当に」
ふふっ。と笑うエウリュアレ。ノッブもそれに釣られて笑うが、戻ってきた茨木にネロがついて来たのを見て、何があったのかと思う。
「どうしたんじゃネロ。エリザとライブ練習じゃなかったのか?」
「そうだったが、休憩は必須だからな。今は休憩という事だ。それで、三人は何をしていた?」
「儂らは菓子を食っておっただけじゃ。お主もどうじゃ?」
「ふむ……そうだな。余も混ざる! エリザはどこかに行ってしまったし、こちらにいるのも良さそうだ!!」
そう言うと、茨木の対面、ノッブの隣に座るネロ。
さりげなく会話の外に追いやられていたエウリュアレと茨木は、茨木の取ってきたものをウエハースに着けて食べていた。
「しかし……余がエウリュアレを見る時は、大体何かを食べているような気がするのだが……気のせいか?」
「気のせいではないと思うんじゃけどねぇ……事実、この部屋にいる時は何か食べとるし」
「別にいいじゃない。悪い事ではないでしょう?」
「まぁ、そう言われると、確かにそうなんじゃけどね。ただ、よく食べるという話と言うだけで」
「女神は太らないからいいのよ。成長しないとも言えるけど……分からないと思うから、別に構わないけどね」
「……余計な事は言わんでいいわ。お主もバラキーの様に大人しく食っておれ」
「じゃあ、そうさせてもらうわ」
そう言って、エウリュアレは茨木と一緒にまた食べ始めるのだった。
久しぶりに書いたようなこのメンバー。お菓子テロが復活してきたかな……?