「ついに聖杯まで送りおったわこのアホ!」
「マスターに対してドストレートだなノッブは!!」
はっきりと断言し、オオガミの事を指差しながら怒りの表情で見るノッブ。
ノッブの言うように、本日、記念すべき10個目の聖杯がランサーメドゥーサに捧げられた。
「うふふ。諦めなさいノッブ。貴女より私たちの妹の方が優秀だったという事よ」
「ぶっ飛ばすぞお主!! いや、きっとどこかには儂をレベル100スキルマにしてくれとるマスターがおるはずじゃ……!!」
遠い目をして、エウリュアレに言われた言葉のダメージを誤魔化すノッブ。
流石に見ていて苦しかったのか、オオガミは苦い表情をしつつ、
「う、うん……その……ごめん、資源不足で……流石に、他に育てる人が多過ぎまして……」
「まぁ、言っても始まらんのは知っとるんじゃけど。全く……今回の功績者があやつだというのは分かるんじゃが、もちっと儂の事を見てくれても罰は当たらんと思うんじゃが」
「ん~……ノッブはもうすでに完成してる気もするんだよねぇ……」
「……それ、つまり儂はもう育てようがないと言っとるわけか?」
「NPチャージ問題はマーリンが来てくれたのと、後結局ノッブは今のままでも肝心な時にやってくれるからね。もういいんじゃないかって思ってるよ」
「適当言いおって……全くそんなこと思っておらんじゃろうが」
「剣豪で最後の方ほぼ盾の如く耐久していたサーヴァントの言う事じゃないと思う」
最終的に、敵の宝具が来るまでひたすら耐え忍び、エウリュアレへ宝具を撃たせなかったのだ。
おそらくノッブが庇ったというより、相手がノッブを叩き斬りに来ていただけの様な気がするがなんにせよ、耐久してくれていたのは事実である。
「儂、勝手に狙われて、無残に斬られただけの気分なんじゃけどなぁ……めっちゃ痛かったし」
「うぅむ……そう言われると何も言えなくなってしまうんだけど、でもまぁ、助かったのは事実なわけですよ」
「むぅ……まぁ、マスターがそう言うならそうなんじゃろう。うむ。悪い気はせんな。うむうむ。仕方あるまい、儂のスキルマが来る時まで、気長に待つとしようかの!」
「……昨日も同じような事を言ってたような気がするんだけど、骨が無いから聞かなかったことにしよ……」
これで下手な事を言って怒りを買い、スキルマさせろと言われるのは流石に困るので、黙っていることにした。彼女は心変わりが激しいのだ。主な原因はオオガミなのだが。
「それで、エウリュアレはなんでここに?」
「あぁ、そうよ。貴方を呼びに来たの。たぶん、私が来た方が貴方も簡単に折れてくれるでしょうし」
「……なんか、こう、心の中を見られてる感じがヤバいと言いますか……まぁ、はい。行きますよ、女神さま」
「ん。じゃあ、早く来てね」
それだけ言うと、エウリュアレは出て行く。
おそらく、彼女たちがいるのはオオガミの部屋だろう。すでにオオガミの部屋は、彼女たちに占領されているのだった。
「……まぁ、マスター。頑張って生きるんじゃ」
「なんというか、ノッブにそれを言われると、この先が不安しかなくなるんだよなぁ……」
そんなことを言い、ノッブに別れを告げて、オオガミはエウリュアレの後を追うのだった。
最近、ずっとノッブといる気がするよこのマスター。そろそろ茶々が出てきてもいいと思うの。
という事で、ランサーメドゥーサに聖杯捧げてきましたよ!! とりあえず、90を目指すんじゃ!