「さて、エリちゃん。貴女の成長しちゃった方が来ましたが、いかがしましょう」
「ぶっ殺すわ」
「勇者としてぶっ殺すわ」
「うん。結論が一緒だね。後者に至っては否定しきれないのが問題だね」
勇者とは何なのか。正義の者でいいのだろうか。というか、アッサリと自分の未来の姿をぶっ殺す宣言するんですねエリちゃん。と突っ込みたいところはあるが、実際に召喚されてしまったのだから仕方ない。礼装を押しのけて来たのが彼女なのだ。
「それにしても、なんだって金回転までさせてあんなのを呼んだのよ」
「まさか子イヌ……嫌がらせかしら?」
「どうしてそうなるのかな!? 流石に酷いと思うんだけど!?」
「……まぁ、いいわ。
「ただし、廊下でばったり会ったら覚悟しておいた方が良いわ。
「廊下を壊さない程度にお願いしますよ……」
後でエルキドゥにこの二人がカーミラと接触しない様に見張っていてもらおうと考え、ため息を吐く。
ブレエリもランエリも、結局同じエリザベートなのだ。カーミラとは仲が悪いらしい。
「それにしても、今日はびっくりしまくりだったよ。メカエリちゃんは増えるし、刑部姫の部屋は黒髭みたいというか、正直欲しいものがいくつかあったりとか、というかあの部屋の写真一枚でいいから欲しかったというか、なんだあのグッズは。凄すぎるだろ。武蔵ちゃんクッションとかいつの間に作られてたんですかっていうかどこで注文すればいいんですかとか! いろいろ聞きたかったなぁチクショウ!!」
「そんなにあの部屋が良かった? あの時も言ったけど、あんな部屋、狭くない?」
「いやいやいや、確かに誰かを呼ぶには狭いというか、呼べるわけないだろとか思うけど、一人で引きこもるなら最適としか言いようがないよ!! っていうか、第一部をやってないから知らないけど、ここの時代設定どうなってるの? ネット繋がってるってどういうことなの?」
だんだんとおかしな方向へ話が変わっていく様子を見て、ブレエリとランエリは首をかしげる。
「な、なんか今日の子イヌ、変なんだけど?」
「
「えっとえっと……そうよ! エウリュアレに助けを求めましょう!!」
「そ、そうね!! ところで、エウリュアレはどこにいるの?」
「……そう言えば今回、エウリュアレの姿を見てないわ……!!」
「ダメじゃない……!!」
神頼みは、どうしようも無い時であればあるほど効果が表れにくいという性質は悲しい事にあるようで、エリザベート達はどうしようもない現実に打ちひしがれる。
「まぁいいわ。
「そ、そうね! よくある事だものね!! 大丈夫よ、
「……なんか、すっごい失礼な事言われてる気がする……」
希望の闘志を燃やすエリザベート達の後ろで、なぜか変な目で見られていたような気がするオオガミ。
当然、変な雰囲気になってしまったので、三人は数分後には周回へと向かうのだった。
エリちゃんとカーミラ様、仲悪すぎるんですよぅ……あと、刑部姫の部屋の武蔵ちゃんクッション欲しいんですけどぉ……
というか、本当に朝何となく回したらカーミラ様出てくるとは思わなくて困惑です。金回転での金アサシンからのカーミラ様ですからね。まさか刑部姫かと思ったがそんな事は無かったという話で。