「ミッションとか、時間かかるよね……早くクエストが解放されないものか……」
「
「うぅむ……そういうのはエリちゃんの役目だと思うんだけど……エリちゃんが歌うってのは?」
「ゲリラライブってことね!! でも、残念ながら今はそんな気分じゃないの」
「えぇ~……むぅ、どうしたものか」
カルデアに帰れもしないので、エリザとしては暇なのだろう。敵を倒し続けるのにも疲れてきたところだ。
姫路城の廊下で座り込んで外を眺めつつそんなことを話し合う二人。ちなみに、ブレエリではなくランエリの方である。
「ミッションってさ、どうしてこうも面倒なのがいっぱいなんだろうね?」
「効率悪い所しかないから、なおさら面倒よね」
「礼装も足りないし、効率の良い狩場も無いしで中々大変な戦いだよ全く」
「まぁ、明日には増えるかもだし、希望を持って待ちましょ」
「だねぇ……まぁ、グミの礼装は交換し終わったから、おそらくこれ以上はミッションで交換だよね」
「だと思うわよ? それより、ねぇ。何か思いついた?」
「いや、何にも。あ、エリちゃんエリちゃん。膝枕してよ」
「膝枕? どうして?」
「いや、ふとしてもらいたくなって」
「ふぅん? まぁ、別にいいわよ。ただ、ここだと寝辛いんじゃないの?」
「特異点修正の時は野宿するからいい加減慣れて来てるよ。じゃ、失礼します……」
そう言うと、オオガミはエリザの膝の上に頭を下ろし、力を抜く。
エリザは自分の膝の上に乗っている頭を見て、何を思ったのか、髪を手で
「ん~? 何してるの?」
「子イヌの髪、ボサボサだから。アイドルである
「……本音は?」
「暇なの。言ってるじゃない」
「まぁ、分かるけども……自分の髪ではやらないの?」
「人の髪だから楽しいの。自分の髪だと、遊んだ後に戻すのが面倒じゃない」
「つまり遊んだ後に放置するって言いきったよこのアイドル……!!」
ふふん。と得意げに鼻を鳴らし、エリザはオオガミの髪を弄る。
本当に楽しそうで、ペチペチと床を叩くドラゴンの尻尾の振動が聞こえるほどだ。
「……楽しい?」
「うん。楽しいわよ」
「……そう。ならいいんだ。なんだかんだ、エリちゃんはほぼ初期からいるのに構って上げれてない感じがして」
「むぅ。そこは本当にそうよね。全く、一緒に騒いでくれてもいいじゃない。エウリュアレだけじゃなくて、
「ごめんごめん。本当、自分でもどうかと思うくらいにエウリュアレと居たからねぇ……まぁ、思い直したからってすぐに治るとは思わないけど」
「別にいいわよ、エウリュアレに構いっぱなしでも。たまにライブを手伝ってくれればね」
「ん? それでいいの?」
「なによ。嫌なの?」
「いや、全然。そんなので良いなら、何時でもいいよ」
「本当!? じゃあ、手伝ってくれたら、子イヌは特等席で聞かせてあげるわね!!」
「えっ、あ、うん……あり、がとう……?」
エリザが目を輝かせてそう言い、寝転がりながらも聞いていたオオガミは、『今、自分はとんでもない事を行ってしまったのではなかろうか』と思うも、すでに後の祭りであることを察して、頬を引きつらせる。
「じゃあ、マスター。楽しみに待ってるからね?」
「……任せておいてよ」
十二分に期待を含んだ満面の笑みで言われてしまっては、引き下がれるわけがない。
オオガミは、自分の鼓膜を犠牲にすることを決心し、とりあえず帰ったらエリザの歌う舞台を考える事にするのだった。
珍しくヒロイン風味のエリちゃん。忘れられそうですが、一応我がカルデア、マシュを除いて最古の星4以上です。
絆レベルがエウリュアレとヘラクレスに抜かれてるのは、戦闘に引き連れまわした数が問題ですが、まぁ、それでも絆レベルは3番目にマックスになるんじゃないかなぁ。と思っております。
しっかしまぁ、エリちゃんがこんなに大人しいわけないだろ!! とか思っちゃったり。なんか、エウリュアレ並みに甘い話を書いた気がする……