今日のカルデア   作:大神 龍

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吾はもう、あやつらとはゲームはしない……!!(むしろ挑んだこと自体が称賛されるべきことだと思う)

「うがー!! 勝てぬ! というか、なんだこれは!! なぜノッブや刑部のように動けぬのだ!!」

「いや、儂と同じようにとか言われても困るんじゃが」

「注ぎ込んだ時間が違うのだよバラキー。(わたし)に勝ちたいのならもっと努力しなさい」

 

 コントローラを置いてソファーにもたれ掛かる茨木。

 本日は休憩室でゲームをしていた。ちなみに、刑部姫はノッブが引きずってきたので、オオガミは一切関わってない。

 

「というか、(わたし)としてはどうしてノッブがついてこれるのかが分からないんだけど……」

「そりゃ、儂は研究するからな。まぁ、三回見たら回避してやるとも」

「なにこの戦国武将。怖いんですけど……」

「なんか、前にも誰かに言われた気がするんじゃが。そんなにか?」

「根本的に、火縄銃を自作できるだけの技術力は持ってるわよ。ソイツ」

「……のぅエウリュアレ。それ、儂と同じ名前の違う奴じゃろ」

「……あれ、ノッブの火縄銃って、魔力顕現だったかしら……」

「そこはほら、触れてはいけない所じゃよ」

 

 深皿いっぱいに入っているアーモンドチョコをもぐもぐと食べながら近づいてきたエウリュアレに、何とも言えない微妙な表情を返すノッブ。

 刑部姫も何かに気付いたようだが、そこは引きこもり。見守ることに徹する。

 

「というか、昨日の今日で凄い切り替えよね……で、今の戦績は?」

「2:3で儂が負けてる」

「むしろ二本取られてるのが不満……」

「ノッブが負けてるなんて珍しいわね。まぁ、流石のノッブも、引きこもりには敵わないのね」

「明らかに罵倒されたよね(わたし)!! 自分で言う分には良いけど、やっぱり他人に言われるのってなんか嫌よね……!!」

 

 致命的な一撃でも受けたかのように倒れこむ刑部姫。しかし、確かに全力で極めた引きこもりに対してほぼ互角の戦いをしているノッブも中々の物である。

 摩訶不思議と言ってもおかしくないレベルである。

 

「ぬぅ……エウリュアレぇ! こやつらとやっても楽しくない!!」

「はいはい。じゃあこれをあげるから大人しくしてなさい」

「むぐっ。むぐむぐ……うまい! 緑の人のちょこ菓子を更にうまくした感じだな! もっとくれてもよいのだぞ!!」

「ハロウィンは昨日終わったんだけどね……まぁ良いわ。口を開けなさいな」

 

 エウリュアレがそう言うと、大人しく口を開けて待つ茨木。その口の中にポンポンとアーモンドチョコを放り込んでいくエウリュアレは、ノッブ達から見ても楽しそうだった。

 

「それで、エウリュアレは気になったから見に来た感じか?」

「まぁ、そんなところよ。なんかバラキーが一方的にやられてるみたいだったし」

「心外じゃ。儂らだって本気でやっとった訳じゃない。ちゃんと右手だけじゃったぞ」

「じゃあ次は左手にしましょう。それで勝てたら指三本で」

「儂に何を求めとるんじゃ、この女神」

「いやいや。ノッブなら足でも行けるって」

「こっちの姫は姫で何言っとるんじゃ。儂、そこまで器用じゃないんじゃけど……」

 

 要望が高く積み上がっていく現状に、どうしたものかと考えるノッブ。しかし、やらないとは言わないのがノッブクオリティ。

 

「じゃあ、片手で出来るようにせんとなぁ……というか、片手で扱うには、ちと大きくて敵わん。改良の余地有りじゃな」

「コントローラから自作するのね~……ちょっと(わたし)には無理かな」

「まぁ任せるが良い。しっかり片手運転出来るようにしてやるとも!」

 

 努力の方向性が間違っている。

 全員はそう思いつつも突っ込まない。何故ならノッブだし別に良いだろう。というのが大部分を占めているからだ。頑張れノッブ。彼女の明日はどっちだ!




 なぜかノッブだけ縛りプレイをさせられる事件。刑部姫に制限はないんですかという突っ込み。

 まぁ、刑部姫は言ったらすぐにやってくれそうな感じがしますけどね。引きこもりはたぶん伊達じゃない。

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