イベント終わったし、ゲームしようか(マスターマスター! 何しているの?)
「マスター? 何をしているのかしら?」
「トナカイさん。」
オオガミの脇の下から侵入してくる二人。
最近にしては珍しく二人でゲームをして遊んでいたのだが、二人の少女による突撃で状況が一変する。
「あっ、ノッブ! 一旦退却するよ!」
「なんと! 儂一人でこれの相手をさせるとは……任せい! マスターが戻ってくるまで何とか持ちこたえてやる!!」
「……なんか忙しそうね?」
「そうですね。というか、私もやってみたいです」
ぐるぐると目まぐるしく変わる状況に、ナーサリーは大変そうな印象を受け、サンタジャンヌは楽しそうに見えたようだった。
なお、会話から分かるように、協力で遊んでいる。ボス戦の後半に入り、相手の行動パターンが変わった瞬間にリアルアタックされていたりする。
「えっと、二人とも。操作しづらいから、退いてもらっても良い? 両サイドにいるのは良いんだけど、下にいると困るんだけど……」
「あら。邪魔はいけないわね。ちゃんと座って見ないと、お行儀が悪いわ」
「そ、そうですね。まぁ、私は分かってましたけどっ!」
「そうね。サンタさんだものね」
「えぇ、サンタですからね!」
えへん! と威張るサンタジャンヌ。しかし、微笑むナーサリーの方が大人に見えるのは何故だろうか。
とにかく、オオガミは二人が退いたことにより、ボスに不意打ちを叩き込み、参戦する。
「二人はこれを倒し終わったらにしようか」
「そうじゃのぅ。ただ、本体はこれ以上無いから、儂のを貸し出すしかないな」
「じゃあ、私はノッブをもらうわね!」
「えっえっ、じゃあ、私はトナカイさんで!」
「うぅむ、ある意味ジャックがいたら出来なかったんだろうけど、とりあえず、ちょっと待って。倒し終わるまでね」
すぐにでも座れるように立ち上がる二人を制止するオオガミ。
その言葉にナーサリーは笑顔で返し、サンタジャンヌはコクコクと頷く。
「よしよしよし。ノッブ! ラスト!」
「任せよ! これで終いじゃぁ!!」
ノッブの一撃が刺さり、ボスは倒れる。
二人は脱力して倒れるが、この瞬間を待っていたのは二人だけではない。当然、ナーサリーとサンタジャンヌもいた。
なので、二人は自然な動きでそれぞれの足の間に座る。
「ノッブ。私にも出来るのかしら?」
「トナカイさん。助けてくださいね?」
「……まぁ、安全なエリアに行くのが一番じゃな」
「そうだね。っていうか、安全なところってある?」
「……あぁ、ダメじゃ。儂、もうここで呼べないし」
「周回数的に、こっちの方が危ないし、進む?」
「まぁ、それしかないんじゃよねぇ……なんとかなるじゃろ」
「だね。ってことで、最初からハードだよ。二人とも」
「大丈夫よ。いくらでも来なさい!」
「が、頑張りますよ!」
胸を張るナーサリーに、若干震えながらもやる気を示すサンタジャンヌ。ある意味対照的な二人に笑みをこぼすオオガミとノッブ。
そうして、四人は冒険の旅へと出るのだった。
ジャックが来ないからこんなことを……末期かもしれない……