「後少し……後少し……!!」
「う~む。儂、さりげなく最下位なんじゃが」
「サンタ強い……」
「うぅぅ! 容赦無さすぎるのだわ!!」
本日はパーティーゲーム。その中のスゴロクをやっているのだが、現在一位はサンタジャンヌ。最下位はノッブで、中間で接戦を繰り広げているのがオオガミとナーサリー。なお、同率の模様。
「まぁ、儂の最下位もここまでじゃ。この一振りで、最下位脱出じゃな!」
「な、なにぃ!!」
「そんな、サイコロ三つ!?」
「そんな……これじゃあ、私が最下位になっちゃうわ!!」
悪役顔でアイテムを使いサイコロを三つにするノッブ。
この状況に三人が絶望の表情を浮かべる。
「ふはは!! 儂が最下位とか、あり得ないよね! こういうのはマスターの役目じゃし!!」
「ひっどい理論だよ全く!! そういうノッブは全部2とかいう微妙な結果で終わるといいよ!」
「わ、儂がそんなことになるわけ無いじゃろ!?」
「フラグね?」
「フラグなんですか?」
「や、やめろぉ! それで本当になったらどうする気じゃあ!!」
まさかとは思いつつも嫌な予感が止まらないノッブ。
三人とも、そんなノッブの心境を分かっているかのように攻撃してくる。
「ふふふ。ノッブは出せるのかしら?」
「ノッブさんはきっとやると信じてます!」
「ノッブだしね!!」
「最後二人! どういう意味じゃあ!!」
「まぁまぁまぁ。怒らないでレッツゴー!」
「後でマスターは仕置きじゃ。が覚悟しておれ」
「僕だけなんだね。当然だと思うけども!」
オオガミの仕置きが確定し、ようやくノッブが振っていく。
「はーずーれ! はーずーれ!」
「い~ち! い~ち!」
「ぜ~ろ! ぜ~ろ!」
「サイコロにゼロは無いわ! というか、いい加減に振らせて欲しいんじゃが!!」
「振ってどうぞ?」
「私たちは止めないわ」
「恐れずに! やってみましょう!!」
「えぇい集中を掻き乱しおってからに……!!」
そう言いつつ、ノッブはボタンを押し――――
「――――…………1、1、1……じゃと……?」
もはや一周回って凄い数値。
ノッブはフリーズし、後ろの三人も少し沈黙した後、
「や、やったわ! これでノッブは脅威じゃないわね!!」
「後は私がこのままゴールに!」
「ノッブ、お疲れ様!!」
「あ、あ、あぁぁぁぁぁあああああああ!!! フラグ回収力えげつなさすぎじゃろぉぉぉ!!! ぐだぐだ粒子とか、そんなのが原因か!?」
悲鳴を上げるも、すでに時遅し。結果は出た後で、覆しようがない。
その後サンタジャンヌを筆頭に軽快に進んでいき、三位との差は6マスを優に超える。
「あ~……儂、終わったわぁ……こっからの逆転とか、包囲されてる状態で燃え盛る本能寺からの脱出レベルじゃよ……」
「なぜそんなピンポイントで本能寺燃えてるんですか」
「儂のピンチを伝えるには最適じゃし」
「そのためだけに燃やされる本能寺……」
なお、その戦いは当然の如くノッブは最下位で終わった。
しかし、ノッブがそれで終わるとは、誰一人思ってはいない。彼女の復讐は、今始まったのだった。
現実でやったらりある大乱闘必至の煽り……当然、後で大神君が酷い目に遭います。(確信