「こたつの魔力って、凄いよね」
「うむ。儂、このまま寝ていたいんじゃが」
「ちょっと。せっかく作ったのに、どうしてセンパイが入ってくるんですか。ノッブも早く出ていってください。というか、貴方なら作れるでしょうが」
「それはそれ、これはこれ。じゃよ。あるなら使うじゃろ、普通」
いつの間にかノッブとBBの共有工房となっている工房に、いつの間にか追加されていたこたつに入ってくつろぐノッブとオオガミ。
しかし、そのこたつを作ったのだろうBBのお叱りの声が響く。
「というか、儂が作ったらあれじゃ。こう、変形したり武器が出てきたり自立歩行出来たりするぞ」
「なにそのこたつ欲しいんだけど」
「手伝いますから作りましょうそれ。移動が楽になりそうな予感です」
「エルキドゥに見つかってマシュに回収されるオチが見えたんじゃけど」
冗談で言ったら全力で乗っかってきた二人に呆れつつ、実際に作ったらどうなるかを考えた結果、即回収されると気付いた。
これはきっと、作るなという啓示だろう。
ただ、この二人に聞き入れられるかは別だ。
「さてさて。設計図からだねBB」
「ですね。ってことで、ここに紙とペンがありまして、更に言えば発案者がそこに寝転がっています」
「……儂、休憩室に戻ろうかの」
「逃がしませんよ?」
「逃がさないからね?」
「うぅむ、四面楚歌」
脚を掴まれ、動けない状況。ノッブは諦め、設計図を描き始める。
「あれ、案外スラスラ描けてる?」
「内心、普通に作るつもりだったんじゃないですか? 全く、素直じゃないですね」
「BB。後で覚悟しておれよ?」
「あれ、私だけ?」
「マスターには後々実験台になってもらおうかと」
「おっと。一番ハイリスクな所に置かれたぞぅ?」
場合によってはBBの数倍危ない気がするのだが、そもそもこたつの作成で実験台とは、一体何をやらせるつもりなのだろうか。
「まぁ、マスターの耐久力なら大丈夫じゃろ。ちと燃えるかもしれんが、ナーサリーでも置いておけば問題ないと思うし」
「燃えるの!? 全身大火傷なのでは!?」
「治療はBBがいるし、何の問題もないの。完璧じゃ」
「ヤブ医者なんですが!!」
「ひ、酷い!! ヤブ医者だなんて!!」
「うむ。実際、BBの回復は凄まじいから、一度受けてみれば良いと思うんじゃよね。ってことで、マスターを燃やしてみよう」
「発想が悪そのものっ!」
「だが中庸なんじゃよねこれが!」
「というか、なんで確認のために燃やされないといけないのか……」
「状態異常回復がマスターに効くのかと思って。火傷じゃし、大丈夫じゃろ」
「既に罰ゲームだよねっ!!」
「そんな事はどうでもういいですから、早くこたつ設計図ください。作れないじゃないですか」
「お主が考えても良いんじゃぞ……?」
「それは……気が向いたらですね」
その後、結局素材を取りに行かないといけないことに気づき、バニヤンを連れて素材狩りに行くのだった。
久し振りのBBちゃん……バニヤンは名前だけ……
くそぅ……幼女組の中心がナーサリーとジャックなのに、片方がいないだけでこんなにも辛いとは……!!