「うぅむ、グール……グールかぁ……」
「どうしたんです? マスター。そんな考え込んじゃって」
何かを考えているオオガミに声をかける玉藻。
マーリンやネロもいるが、現在は周囲を警戒している。
「いや……ゾンビじゃなくてグールってなってることを考えると、そこには意味があるような……」
「もしかして、黒幕とか考えてます?」
「まぁ、気になる程度だけどね。いやぁ……なんとなく、この前ノッブ達と遊んだTRPGに似てるんだよね……」
「はぁ。TRPGでございますか……というか、なぜ私を呼んでくれないんですか。いつもノッブやエウリュアレさんとばかり遊んでいますし」
「まぁ、いつも暇な人しか誘ってないからね~。忙しそうな人の邪魔はしちゃ悪いしね」
「んもぅ。別に私はそんなに忙しくないですから、いつでも誘ってくださいな。たまにくらい、皆さんと遊んでも良いでしょうし」
「それは良いことを聞いたわね、マスター!」
どこからともなくオオガミの正面に出現したナーサリー。
二人は突然のことに驚くが、オオガミはすぐに我に返ると、
「えっと、どうして良いことを聞いたになるの?」
「だって、遊ぶ人が増えるんでしょう!? 喜ぶべきじゃない! 遊んでくれる人は、多ければ多いほど良いわ! でも、多くするだけじゃなくて、相手もしっかり選ばないとよね」
「まぁね。でも、玉藻なら大丈夫なんじゃないかな?」
「そうね。玉藻はなんだかんだ言って優しいもの。きっと遊んでくれるわ!」
気付くと、期待の眼差しを向けられている玉藻。
彼女はふと、この期待に応えられるかを考え、すぐに結論を出す。
「えぇ、構いませんとも。少々自信の無い遊びもございますけど、昔遊び何て言うのもよろしいんじゃございません?」
「わぁ! 日本の昔遊びね!? 楽しみだわ楽しみだわ! 帰ったらサンタさんにも教えてあげないと!!」
「昔遊びかぁ~……おはじきとか、盛り上がりそうだよねぇ~……」
「おはじきですか。まぁ、確かにあのメンツなら盛り上がりそうな気がしますね。最近のおはじきはガラス玉やプラスチックらしいですし、帰ったら買うか作るかですねぇ」
「きっとノッブが何とかしてくれるよねっ!」
「マスターのそのとりあえずノッブに任せておけば良いっていうの、凄いと思うわ!!」
「凄いと言いますか、雑と言いますか……ただ、彼女が拒否するのも想像つかないというのがまた……」
「『それ面白そうじゃな! 儂、作るぞ!』って言いそうだもの。楽しそうだわ!」
「うぅむ、本当に良いそうですねぇ……」
難しい顔で、しかし楽しそうな雰囲気を出す玉藻。
オオガミはそれを見て微笑むと、
「まぁ、どのみち無事帰ったらの話だよ。今はグールを倒しに行かないとね」
「あら、もう良いんです?」
「十分休んだしね。じゃあ行こうか」
「遊ぶわよぉ!」
三人はそういって、警戒しているようでサボっているマーリンと、鼻息荒く張り切っているネロを迎えに行くのだった。
うぅむ、一部一般人が見覚えのある顔をしているのが気になるんですよね……うぅむ、なんという不穏……
そして、ここまでメンバーどころか礼装も変更してないという。やっぱりマーリン・玉藻はチートだな……(止める気はない