「ねぇ、子イヌ? そろそろ遊んでばかりもどうかと思うわよ?」
掛けられた言葉に、オオガミが凍り付く。
そして、我に返ると同時、発言者であるエリザベートに詰め寄る。
「……エリちゃん? なんか悪いものでも食べた?」
「失礼ね。これでも
「なんという正論……正論……正論……? うん。まぁ、納得したし良いか。で、なんで突然?」
「なんでって……最近
「おっと。心に刺さるけど、残念だが勉強はしてるんだ。ここに来たときよりも頭が良くなってる自信はある」
「レイシフトも出来ないんだし、これからはカルデア内にいるのが多くなるんだから、しっかりしてもらわないとね」
「うぅむ、エリちゃんにそれを言われるのはなんとなく微妙……」
「なによぅ。悪い?」
「いや全く」
首を振って、エリちゃんは悪くないと示す。
と、考えて、オオガミはふと思い出したことを聞く。
「っと、そうだ。エリちゃん。今から休憩室でおはじきするけど、来る?」
「行くわ」
即答だった。
若干驚くが、意識を逸らせたので良いか。と思い直すオオガミ。
「それで、おはじきってどんな遊びなの? 知識はあっても、遊び方がまちまちじゃない」
「それだよね。まぁ、ノッブが決めてるみたいだし、行ってみてのお楽しみ?」
「そうなの? ノッブが考えてるのね……なんとなく不安なんだけど、どうしてかしら……」
「まぁ、分からなくもないね。だけど、小さい子組もいるからそこまで理不尽なルールではないと思うよ?」
「小さい子組……? あぁ、ナーサリーとかサンタジャンヌとかね? なるほどなるほど……良いわ! 楽しそうじゃない!」
「小さい子いじめは禁止だよ?」
「ノッブなら公平にしてくれると思うわ。きっとね」
「一体どんな縛りを入れて公平にするのか……というか、縛らなくても公平の予感……むしろ不利なんじゃ……?」
子供ながらの直感に対して勝てるかどうかというところだ。力の入れ加減なんてものは、理屈で分かっていても実際にはかなり難しいものなのだ。
「っと、そろそろ休憩室だね。いやぁ、おはじきの柄から気になるねぇ」
「え、もしかしてノッブが一から作ってたりする?」
「うん。まぁ、本人もやる気だったし、良いんじゃないかなって」
「ふぅん? なんか、楽しみね。どんな柄なのかしら」
楽しそうに笑うエリザベート。オオガミはその顔に釣られて笑うのだった。
オオガミ君の仕事ってなんだっけ……?(錯乱
うん。遊ぶのも仕事なんじゃないかな……?