今日のカルデア   作:大神 龍

251 / 1263
召喚の触媒なんて、実際初めてだよね(そもそもやったことないじゃないの……)

「降臨させちゃるもんね!!」

「……儂、もう知らんからな?」

「なんか、楽しそうよね。ここまで来ると」

 

 召喚室でそんな話をするいつもの三人。

 今回は珍しく触媒を用意するようだった。なお、効果があるかどうかは置いておくものとする。

 なお、ノッブは知らぬ存ぜぬで逃げようとしているが、悲しい事に運ぶのを手伝った時点で同罪である。

 

「……で、何を中心に集めたんじゃ?」

「クトゥルフ神話関連の装備を一式。まぁ、マンガ関連なんだけどね」

「うむ、儂もコレ読んだことあるのぅ。マスターの部屋に遊びに行った時とか、たまに読んどったし」

「登場人物はクトゥルフ神話系統なのに、やってることはクトゥルフがあんまり関係ないけどね」

「せ、設定は若干クトゥルフしてるから……」

「まぁ、予防線でCOCルールブックも置いておるし、問題ないじゃろ」

「……効くとは思わないけどね」

「エウリュアレが裏切ってきた!!」

「そもそも味方になった覚えもないのだけど」

 

 やれやれ。といいたそうに首を振るエウリュアレ。

 オオガミは裏切られた気分なのだが、エウリュアレ本人はまるで気にしていない様子。

 

「うむ。それで、本当に引くんか? ここで止めても良いと思うんじゃよ?」

「いや……ここでやめたらどうして用意したんだよ状態なんだけど……」

「良いじゃろそれでも」

「そんなこと言われても……意地でもやるよ? 回しちゃうよ? 今日を逃したら死ぬよ?」

「なんでそこまでガチなんじゃよ……」

「正気度を持ってかれたからじゃないかな!!」

「ダメじゃコイツ!! エウリュアレに治療してもらえ!!」

「えっ、魅了しろって事? 残念だけどノッブ。マスターに私の魅了は効かないわよ……?」

「なんじゃそれ……魅了耐性高いのかマスター……」

「いいえ? 違うわよ?」

「えぇ……なんでなんじゃよ……あっ」

「まぁ、ノッブなら気付くわよね……」

「そう、すでに魅了済みだからだよ!!」

「……もう、このマスター嫌なんじゃけど」

 

 考えることを止め、遠い目をするノッブ。

 なお、オオガミはあまりのドヤ顔故に殴り飛ばされたものとする。

 

「全く……ノッブは最初から分かってたくせに」

「んなわけあるかい。儂はもう疲れたわ……なんか、ここ最近マスターの暴走を止めっぱなしのような気もするしな。そろそろ儂が事件を起こす番じゃよ」

「なんて恐ろしいこと考えてるんだこの武将……怖いんだけど……」

「私は知らないわよ。マスターが何とかしなさい」

「なんて適当な……!! というか、エウリュアレ飽き始めてない?」

「えぇ。だって、ノッブを放っておいて、さっさと召喚しちゃえば良いのよ。なのに、ノッブと話して誤魔化してるのがいるんですもの。面白くないわ」

「うぐ……図星だからなにも言えない……」

 

 観念したようにオオガミは最後の呼符を取り出し、触媒を置いた陣の中心へと向かう。

 

「まぁ、頑張りなさい。応援はしてるわよ」

「儂はマスターなら面白いもんを見してくれると思っとるからな。期待しとるぞ」

 

 二人の声援を受け、オオガミ唾を飲み込むと、意を決したように呼符を地面に置くのだった。




 引いた結果は……明日の続く!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。