「マスター……やっぱり儂、今回は諦めた方が良いと思うんじゃよ」
「ノッブ。それ以上言わないで。吐血して死にますよノッブ」
「マスターの口調が壊れてるんじゃけど。本気で落ち込んでるんじゃが……」
だが、昔は部屋に引きこもっていたのが今は平然と歩いているあたり、立ち直り力が上がってるらしい。
しかし、落ち込んでいることに変わりはない。
「うぐぅ……中々辛い……」
「うむ。そう思っとるなら、いい加減その握りしめて隠してる石を儂に渡していいんじゃよ。倉庫に叩き込んできてやる」
「……流石にそれは無しかと思う」
「絶対使うじゃろ」
「……渡したりはせんぞノッブ」
「おぅマスター。なにふざけたこと言っとるんじゃ。殴るぞ」
「最近ノッブが妙に辛辣な件について!!」
「そりゃ、マスターが強情じゃし、こんなマスター、ジャンタに見せられんじゃろ」
「……すいませんでした」
「うむ。素直でよろしい」
流石にサンタジャンヌを引き合いに出されると弱いオオガミだった。
観念してノッブに石を渡すと、オオガミは遠い目をして、
「メルト復刻、いつだろうなぁ……」
「……いつも通りのマスターに戻ったか……?」
「うん。これはもう、諦めて寝るしかないね」
「うむ。ふて寝じゃなこれは。まぁ安心するがいい。ちゃんと引きこもれないように部屋に細工はしておいたからな。安心せい」
「なんて迷惑極まりない細工を……!!」
最近夜中に侵入してくる人が多いような気がしたのだが、まさかノッブのその細工がかかわってるんじゃないかと気づくオオガミ。
「ねぇノッブ。その細工知ってるの、誰?」
「ん~……そうじゃのぅ。まず作成者である儂とBB。エウリュアレ……くらいかのぅ……」
「……それにしては、サーヴァントの気配の数が合わないんだけど……夜中とかすごいんだけど……」
「……うむ。じゃあ今夜はマスターの部屋で儂らが見張っておればいいんじゃな。安心せい。全力で遊びたお……見張っておるからな!!」
「チクショウ安眠妨害宣言だこれ!!」
明らかに寝させはしないという宣言を受け、この武将はどうやって封印すればいいのかを割と真面目に考えるが、どうあがいても復活してきそうなのでどうしようもないということに気づき、諦めて耳栓を探しに行こうかと考える。
「うぅむ、しかし、如何に遊ぶか……」
「隠しもしねぇなこの武将。人間に取っての睡眠がどれほど重要かわかってる人の言葉じゃないと思うんです」
「まぁ、ほどほどにするからな。ちゃんと寝るんじゃよ?」
「寝させるつもりのない人の言葉とは思えないぜチクショウ」
心配しているようで、さりげなくゲーム機を取り出すノッブ。実質的遊ぶ宣言。
気になるのも心の毒だと思うのだが、ノッブはわざとやっているとしか思えないので、いつか痛い目に合えばいいと思うオオガミなのだった。
えっ、昨日の結果……ですか……? トータぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
はい。今日はあきらめて寝ようと思います(吐血