「子イヌ~!!
「げぶはぁ!!」
バックアタックをくらい倒れるオオガミに乗りかかるエリザベート。
しかし、オオガミは倒れ伏したまま動かず、エリザベートは首をかしげる。
「子イヌ? どうしたのよ。返事しなさい?」
「うぐぐ……普通に致命傷……あの、なぜこっちに来たんですかい……他にもいたと思うんだけど……」
「何よ。子イヌは
「別に嫌と言うわけではないけども……こう、もうちょっと優しさを持ってほしいですエリちゃん」
「何よぅ、十分優しくしてるじゃない。だからほら。アイドルとかやってるんじゃない。優しさが無かったらアイドルはやってないわよ!」
「うぅん、エリちゃんには一度痛い目というか、優しい感じの攻撃を受けるがいい」
「い、一体何をする気なのよ……」
オオガミはエリザベートに乗られていながらも、体を引きずってマイルームまでたどり着く。
「……ここまで来て、何がしたいのよ。あと、服が汚れてるわよ?」
「誰のせいだと思ってるんですか!! 今更だけど退いてくれるとありがたいな!!」
「まぁ、マスターをいじめたいわけじゃないし、良いわよ。それで、何をするの? 出来れば着替えてよね」
「うぅむ、理不尽。そもそも誰のせいだと思ってるのさ」
「ふふん。
「その自信は一体どこから出てくるのか。不思議でしょうがないよ!」
だが、そんな態度のエリザベート以外はエリザベートではないのかもしれない。と思ってる辺り、悪く思っていないのは確かだろう。
「まぁ、服は着替えるけども、まさかそこにいる気ですか?」
「あっ。そ、それもそうね。部屋の外にいるから、着替え終わったら呼びなさい。良いわね子イヌ!」
「りょーかい。ちゃんと待っててよ?」
「当然じゃない。言われたことくらい、ちゃんと守れるわよ」
「うんうん。信じてるよ」
エリザベートは慌てたように出て行き、オオガミをそれを見た後、着替え始める。
と、着替えている途中で、扉の向こうからエリザベートの声が聞こえる。
「……ねぇ子イヌ。
「ん~……まぁ、そうだよね。最近はエリちゃんを連れて行く事が少ないしね。剣豪の時も、ほとんど連れて行けなかったし」
「そうよねぇ……なんていうか、
「えっ。何それ。消えるの?」
「ちょっと、どうしてそうなるのよ。
「何を言うのさ。むしろ騒いでないエリちゃんはエリちゃんじゃないと思うけどね? だから、気にしなくてもいいと思うよ。っていうか、静かに出来ないでしょうが」
「むぅ。そんなことないわよ。
「うんうん。そうだね。ただ、出来れば止めてね。っと、着替え終わったから入ってきていいよ」
オオガミの言葉を聞き、入ってくるエリザベート。オオガミはベッドに腰を掛けており、その隣を手で叩いて座る様に促す。
「それで、結局何をしたいの?」
「この前やってもらった事だよ。ほれほれ。ここに頭を乗せるが良い」
「なんでノッブみたいな言い方になってるのよ……別に構わないけど」
隣に座ったエリザベートに、今度は膝の上に頭を乗せるように促すオオガミ。
エリザベートは困惑しながらも言われた通りに頭を置くと、オオガミは頭を撫で始める。
「……こんなことしていいの?」
「エリちゃんが嫌がってないならいいかなって」
「別に
「……いやいや。流石のエウリュアレも、殺しはしないよ。ちょっと全力で蹴りながら、自分にも同じことをしろって遠回しに言ってくるだけだよ」
「……ねぇ、サーヴァントの攻撃って、普通の人間には蹴りでも致命傷だったと思うんだけど。手加減してくれてると思うわよ? 少なくとも全力じゃないと思うんだけど……」
「うぅむ、普通に矢を射られたんだけど……まぁ、躱したから問題無しだね。とにかく、エウリュアレに狙われても何とかなると思うよ」
「何かしら……子イヌが攻撃を受けても逃げ切るっていうのを聞いて、代わりに
エリザベートは不安になるも、オオガミはただ苦笑いをして返すだけだった。
その後しばらくオオガミはエリザベートの頭を撫で、気付いたら二人とも寝ているのだった。
気付いたらだらだらとこんなに長く書いていたんですけど……
エリちゃんはエリちゃんで、エウリュアレ並みに書きやすい不思議……ノッブはどうしてもヒロインっぽく書けない……どうしても男友達と言うか、そう言う雰囲気になるんですよね……