今日のカルデア   作:大神 龍

255 / 1263
最近暴れても歌ってもいないわ(連れて行く場所も無いし、仕方ないよね)

「子イヌ~!! (アタシ)、暇なんだけど!!」

「げぶはぁ!!」

 

 バックアタックをくらい倒れるオオガミに乗りかかるエリザベート。

 しかし、オオガミは倒れ伏したまま動かず、エリザベートは首をかしげる。

 

「子イヌ? どうしたのよ。返事しなさい?」

「うぐぐ……普通に致命傷……あの、なぜこっちに来たんですかい……他にもいたと思うんだけど……」

「何よ。子イヌは(アタシ)が来てくれて嬉しくないっていうの?」

「別に嫌と言うわけではないけども……こう、もうちょっと優しさを持ってほしいですエリちゃん」

「何よぅ、十分優しくしてるじゃない。だからほら。アイドルとかやってるんじゃない。優しさが無かったらアイドルはやってないわよ!」

「うぅん、エリちゃんには一度痛い目というか、優しい感じの攻撃を受けるがいい」

「い、一体何をする気なのよ……」

 

 オオガミはエリザベートに乗られていながらも、体を引きずってマイルームまでたどり着く。

 

「……ここまで来て、何がしたいのよ。あと、服が汚れてるわよ?」

「誰のせいだと思ってるんですか!! 今更だけど退いてくれるとありがたいな!!」

「まぁ、マスターをいじめたいわけじゃないし、良いわよ。それで、何をするの? 出来れば着替えてよね」

「うぅむ、理不尽。そもそも誰のせいだと思ってるのさ」

「ふふん。(アタシ)じゃないことだけは確かね!」

「その自信は一体どこから出てくるのか。不思議でしょうがないよ!」

 

 だが、そんな態度のエリザベート以外はエリザベートではないのかもしれない。と思ってる辺り、悪く思っていないのは確かだろう。

 

「まぁ、服は着替えるけども、まさかそこにいる気ですか?」

「あっ。そ、それもそうね。部屋の外にいるから、着替え終わったら呼びなさい。良いわね子イヌ!」

「りょーかい。ちゃんと待っててよ?」

「当然じゃない。言われたことくらい、ちゃんと守れるわよ」

「うんうん。信じてるよ」

 

 エリザベートは慌てたように出て行き、オオガミをそれを見た後、着替え始める。

 と、着替えている途中で、扉の向こうからエリザベートの声が聞こえる。

 

「……ねぇ子イヌ。(アタシ)、最近歌ったり出来てない気がするの」

「ん~……まぁ、そうだよね。最近はエリちゃんを連れて行く事が少ないしね。剣豪の時も、ほとんど連れて行けなかったし」

「そうよねぇ……なんていうか、(アタシ)ね。そろそろ静かにしようかなって思うの」

「えっ。何それ。消えるの?」

「ちょっと、どうしてそうなるのよ。(アタシ)は消えたり帰ったりしないわよ。ほら、たまにいろいろ言われるじゃない。だから、少し静かにしてようかなって。マスターもその方が良いんじゃない?」

「何を言うのさ。むしろ騒いでないエリちゃんはエリちゃんじゃないと思うけどね? だから、気にしなくてもいいと思うよ。っていうか、静かに出来ないでしょうが」

「むぅ。そんなことないわよ。(アタシ)だって、やろうと思えばできるわ」

「うんうん。そうだね。ただ、出来れば止めてね。っと、着替え終わったから入ってきていいよ」

 

 オオガミの言葉を聞き、入ってくるエリザベート。オオガミはベッドに腰を掛けており、その隣を手で叩いて座る様に促す。

 

「それで、結局何をしたいの?」

「この前やってもらった事だよ。ほれほれ。ここに頭を乗せるが良い」

「なんでノッブみたいな言い方になってるのよ……別に構わないけど」

 

 隣に座ったエリザベートに、今度は膝の上に頭を乗せるように促すオオガミ。

 エリザベートは困惑しながらも言われた通りに頭を置くと、オオガミは頭を撫で始める。

 

「……こんなことしていいの?」

「エリちゃんが嫌がってないならいいかなって」

「別に(アタシ)は構わないけど……その、エウリュアレに見つかったら子犬は殺されるんじゃないかしら……」

「……いやいや。流石のエウリュアレも、殺しはしないよ。ちょっと全力で蹴りながら、自分にも同じことをしろって遠回しに言ってくるだけだよ」

「……ねぇ、サーヴァントの攻撃って、普通の人間には蹴りでも致命傷だったと思うんだけど。手加減してくれてると思うわよ? 少なくとも全力じゃないと思うんだけど……」

「うぅむ、普通に矢を射られたんだけど……まぁ、躱したから問題無しだね。とにかく、エウリュアレに狙われても何とかなると思うよ」

「何かしら……子イヌが攻撃を受けても逃げ切るっていうのを聞いて、代わりに(アタシ)が撃たれそうなんですけど……」

 

 エリザベートは不安になるも、オオガミはただ苦笑いをして返すだけだった。

 その後しばらくオオガミはエリザベートの頭を撫で、気付いたら二人とも寝ているのだった。




 気付いたらだらだらとこんなに長く書いていたんですけど……
 エリちゃんはエリちゃんで、エウリュアレ並みに書きやすい不思議……ノッブはどうしてもヒロインっぽく書けない……どうしても男友達と言うか、そう言う雰囲気になるんですよね……

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。