「よっしゃぁ!! 明後日からはクリスマスイベント週間!! 全力全霊を持って攻略だ!! いいね皆!!」
「私の後継者がついに……!!」
「僕はなんだっていいけどね。でも、エレシュキガルも関わっているんだろう? 彼女自身は気にならないんだけど、イシュタルが顔を出す可能性があるからね……」
「エルキドゥさんは自重してくださいね。私が止められるのにも限界がありますから」
「先輩。私も行けるみたいですけど……あの、なんで一番後ろ何でしょう……?」
「うん。僕は安定の前線真後ろなんだね。分かるとも。正直出るときが来なければ良いな! そろそろ過労で訴えるよ?」
今回のクリスマスイベント特効メンバーが、それぞれ思い思いに話す。しかし、マーリンに対してメドゥーサはすかさず、
「マーリンの案は却下です。マスター。まずはマーリンから仕留めましょう」
「回復いなくなるからダメだよ。それはクリスマス終わった後にしよう。大晦日とか」
「仕方無いですね」
「辛辣だなぁ全く!!」
逃げ場はなかった。マーリンは静かに泣きながら、この後きっと極寒の中英雄を作ったり幻作ったりするんだろうな。と思うのだった。
「先輩。程々にしてくださいね?」
「程々も何も、最悪戦う事が無いんだよね……マーリン。メインはエルキドゥとメドゥーサだし……」
「まぁ、僕だよね。メドゥーサもよろしく」
「えぇ。まぁ、私はきっとサポートに回るんだと思うんですけど。頑張ってくださいね」
「僕がいる理由は一体何なんだろうなぁ……」
「マーリンさんは備えじゃないですか? あれです。もしかしたらの保険ってやつですよ」
「まぁ、結局本気で倒したいときはマーリンさんを使うと思うんですけどね。頑張ってくださいね」
なんだかんだ言いつつも、前半戦はマーリンの出番は皆無だと思われるのだった。
「ふぅ。どの道今日はやることないし、今日は解散としようか」
「突然集めて突然解散とは……やはり君の行動は読めないね。こんな私をこき使うし」
「んん? マーリンはもう一か月重労働が良いって? いいよいいよ。宝物庫に閉じ込めてやる」
「おぉっと。それは遠慮させてもらうよ。という事で、じゃあね!」
即座に逃げ出していくマーリン。誰も止める事は無かったが、中々の逃げ足で、全員ある意味感心する。
「マーリン……流石の逃げ足だね」
「エウリュアレとノッブから逃げる時のマスターも同じようなモノだけどね」
「更に言えば、瞬間強化を入れてる分先輩の方が早い可能性あります」
「おっと待ちたまえ後輩ちゃん。サーヴァントに勝てる脚力とか、案外人外じみてると思うんですがっ!!」
「普通に人外じみてると思いますよ。まぁ、私が言う事ではないんでしょうけど」
「僕も今までの旅路を考えたら普通にマスターは人間止めてると思うよ」
「まさかエルキドゥにそんな事言われたらどうしようもないくらいに終わってるね。これはもう完全に人間止めてるって事じゃないか」
今になってようやく実感するオオガミ。しかし、結局このあとやる事は何も変わらないわけだった。
「よし。逃げたマーリンは置いておいて、食堂にレッツゴー!!」
「お菓子でも貰いに行くんですか先輩。エミヤさんに怒られますよ?」
「姉様の為なら貰いに行きましょうか。喜んでくれますかね……」
「僕は基本食堂にいるからいつも通りなんだけどね」
「あの、トナカイさん。そろそろ寝たいんですけど……」
「あ、別に無理して行こうってわけじゃないし、寝たいなら寝た方が良いと思うよ」
「じゃあ、寝させてもらいますね。おやすみなさい。トナカイさん」
「お休み、ジャンヌ」
サンタジャンヌはそう言うと、自室へと帰って行く。
オオガミはそれを見届けた後、改めて食堂に突撃するのだった。
クリスマス楽しみ……!! 何よりも、エレシュキガルが……!! 二日あればなんとかなるはず……!!!