「うあ~……熱病とかぁ……辛いんじゃけどぉ~……」
「茶々、絶対何も悪いことしてない。絶対プレゼント貰えるはずだった。絶対伯母上のせい」
「ちゃ、茶々め……言いたい放題言いおって……儂、ちょいと食堂まで行ってくる……」
「……なんで?」
「アイスでも、ちと奪って来ようかと」
「茶々の分もお願い」
「ずうずうしい奴め……」
朦朧としながらも、仕方ないな。と思い部屋を出る。
外の熱気を感じ、こんなことなら珍しく部屋に戻らないで工房に籠っているべきだったと思うノッブ。
そんなことを思いながら廊下を歩いていると、
「……ん、んん~? 誰か、倒れとらんか? 儂、熱でおかしくなったか? いや、夏のボイラー室を乗り切った儂に、これくらい問題ないんじゃもんね……」
自分に言い聞かせるようにノッブは進んでいくと、半裸の金ぴかが倒れていた。
「……え、エルキドゥは……マスターに連れて行かれて……あれ、あやつがいないと、カルデア内を把握してるのって実質いないから……儂しかいなくね? え、これは何処に連れてきゃいいんじゃろ……」
気を抜くと、地面に倒れてる金ぴかみたいになりそうな身体だが、靄のかかった頭でノッブが出した答えは、
「うむ。儂の工房だとエルキドゥにばれる可能性があるし、金ぴかは食堂に引っ張っていくか。確か風紀委員組は食堂じゃったしな。きっと帰って来たエルキドゥがなんとかするじゃろ。儂はアイスが食えるし、こやつは救われるしで、一石二鳥じゃな」
風紀委員組に見つかるという可能性を考えない辺り、かなりノッブも熱でやられているらしい。
「あ~……頭痛いしだるいしで力が出ん……引っ張っていくの、辛いんじゃけど……」
「ぐ……ぅ……貴様……信長と言ったか……
「阿呆。儂よりも辛そうな顔しとる奴を置いて行けると思うか」
「ふん。奴を送り出すのに些か魔力を使い過ぎたが、貴様如きに助けられるほど落ちぶれてなどいない。さっさと手を離せ。自力で歩く」
「ふん……強がりおって。儂、そんな事言う奴の言葉とか、信じないもんね」
「貴様……よほど
「ふはは。やってみるがいい。儂は容赦なく反撃してやるからな。神性持ちとか、儂の敵じゃないもんね」
「貴様如き、我が宝具を使うまでも無いわ。魔術だけで倒してやろう」
「わはは。んな震えてる手と足で出来るなんて思っとらんもんね。復活しても同じじゃろうて」
「貴様との差なぞ、すぐに埋めてくれるわ。レベル如き、大した差でもないだろうよ」
「楽しみじゃ。ふははは」
ノッブはそう言って笑い、食堂まで結局引きずっていったノッブ。その後すぐさま地面にギルガメッシュを置いて行き、冷蔵庫に向かっていくのだった。
当然、ギルガメッシュは残った魔力で冷蔵庫を封じるという悪意に満ちた最後の抵抗をするのだった。
まぁ、ギル様、レベル1なんですけどね。この種火はエレシュキガルとメルトリリス用だぞ王様。あげないからね。