今日のカルデア   作:大神 龍

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ねぇメドゥーサ? どうしてあなたがここにいるのかしら(イベントボーナス鯖なのにここに残ってるなんて珍しいわね)

「……メドゥーサ。どうして私がこんな苦労してるのに、あのマスターは来ないのかしら」

「姉様。たぶんマスターはこの熱の元凶を倒しに行ったんだと思います」

「あらあら。(エウリュアレ)ったら、どうしてそんなことを考えるのかしらね?」

 

 自室で、三人揃って大人しくしている姉妹。正確にはメドゥーサは違う部屋なのだが、倒れたのがこの部屋だったので、部屋から出る事も出来ず倒れているのだった。

 

「別に、理由なんてないわよ。ただ、マスターがカルデアにいない気がして、不思議なだけよ」

「本当にそれだけかしら。えぇ。別に、問題はないわよ。それで、(エウリュアレ)はマスターはどうしてると思う?」

「……(ステンノ)。そういうの、良くないと思うわ。でも、今頃寒さで震えてるんじゃないかしら。復刻の時がそうだったもの」

「ふぅん。メドゥーサはどうかしら?」

「私ですか? そうですね……私は、たぶん魔物に追われてると思いますよ。霊か怪物かまでは分かりませんが」

「あ~……そうねぇ……私たちのマスター……そういうところあるものね……あれ。今思い出したのだけれど、今回のイベント、メドゥーサにもボーナスがあった気がするのだけど」

「そういえば、確かにあったわね。で、当の本人はどうしてここで寝てるのかしらね?」

 

 二人の視線が、自然とメドゥーサに向く。

 メドゥーサは視線を泳がせる。

 

「マスターはなんだって言ってたっけ? この愚妹は。ねぇ(ステンノ)?」

「追われてると思いますと言ったわよ。(エウリュアレ)

「そう……そういえば、メドゥーサの顔、いつもと変わらない気がするのだけど。どう思うかしら。(ステンノ)

「えぇ。これは嘘を吐いていた顔ね。(エウリュアレ)

「そうね。じゃあ、メドゥーサには、マスターの所に行ってもらおうかしら。戻ってきたら、どうだったか教えてね。それでからかってあげるんだから」

「……だ、そうよ。メドゥーサ」

「そう……ですか。分かりました。行ってきますね」

 

 メドゥーサは、先ほどまでの様子とは打って変わり、あまり乗り気ではない様子で部屋を出て行く。

 それを見送ったステンノは、同じく見送ったエウリュアレを見て、静かに首を振る。

 

「ねぇ(エウリュアレ)。本当にメドゥーサを送り出したのはマスターをからかいたかったからだけなのかしら」

「……(ステンノ)。別に、私はマスターとメドゥーサが仲良くなればいいと思ってるだけじゃないわ。だって、あの子は強いじゃない。きっとマスターそすぐ連れて帰ってきてくれるわ」

「そう。まぁ、確かにあの子ならマスターを連れて帰ってきそうね。楽しみね」

「えぇ。どんな面白い事をしてるのかしら。私のマスターは」

 

 二人はそう言うと、流石に体力が尽きたのか、そのまま眠るのだった。




 書きながら、ふと思い出したのです。そう、メドゥーサは今回のボーナスキャラだからカルデアに残ってなくね? と。まぁ、手遅れでしたけど。

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