「……メドゥーサ。どうして私がこんな苦労してるのに、あのマスターは来ないのかしら」
「姉様。たぶんマスターはこの熱の元凶を倒しに行ったんだと思います」
「あらあら。
自室で、三人揃って大人しくしている姉妹。正確にはメドゥーサは違う部屋なのだが、倒れたのがこの部屋だったので、部屋から出る事も出来ず倒れているのだった。
「別に、理由なんてないわよ。ただ、マスターがカルデアにいない気がして、不思議なだけよ」
「本当にそれだけかしら。えぇ。別に、問題はないわよ。それで、
「……
「ふぅん。メドゥーサはどうかしら?」
「私ですか? そうですね……私は、たぶん魔物に追われてると思いますよ。霊か怪物かまでは分かりませんが」
「あ~……そうねぇ……私たちのマスター……そういうところあるものね……あれ。今思い出したのだけれど、今回のイベント、メドゥーサにもボーナスがあった気がするのだけど」
「そういえば、確かにあったわね。で、当の本人はどうしてここで寝てるのかしらね?」
二人の視線が、自然とメドゥーサに向く。
メドゥーサは視線を泳がせる。
「マスターはなんだって言ってたっけ? この愚妹は。ねぇ
「追われてると思いますと言ったわよ。
「そう……そういえば、メドゥーサの顔、いつもと変わらない気がするのだけど。どう思うかしら。
「えぇ。これは嘘を吐いていた顔ね。
「そうね。じゃあ、メドゥーサには、マスターの所に行ってもらおうかしら。戻ってきたら、どうだったか教えてね。それでからかってあげるんだから」
「……だ、そうよ。メドゥーサ」
「そう……ですか。分かりました。行ってきますね」
メドゥーサは、先ほどまでの様子とは打って変わり、あまり乗り気ではない様子で部屋を出て行く。
それを見送ったステンノは、同じく見送ったエウリュアレを見て、静かに首を振る。
「ねぇ
「……
「そう。まぁ、確かにあの子ならマスターを連れて帰ってきそうね。楽しみね」
「えぇ。どんな面白い事をしてるのかしら。私のマスターは」
二人はそう言うと、流石に体力が尽きたのか、そのまま眠るのだった。
書きながら、ふと思い出したのです。そう、メドゥーサは今回のボーナスキャラだからカルデアに残ってなくね? と。まぁ、手遅れでしたけど。