「シュメル熱……中々の強敵であるな!!」
「うるさいぞネロ。静かに出来んのか。頭に響く」
「病気になってるのに元気よね。まぁ、
休憩室にて、シュメル熱と暑さによるダブルアタックを受けながらも、マスク一つつけて今日も元気な三人組。
なお、メイドオルタは飲み物を取りに来ただけで、実際は巻き込まれているだけだったりする。
「そもそも、貴様らは何をしているのだ。熱があるなら大人しく寝ているべきだろうが」
「ふっふっふ。余がこの程度の熱で止まるものか!! むしろ、今ならこの水着装備が生きると考えれば、完璧!! 今こそ余の本領であグハァ!!」
「ネロ!? 大丈夫!? 死んじゃダメよ!!」
「ふ……エリザよ。余はもうダメなようだ……後は任せた……余と、余とエリザの歌を、伝えて行ってくれ……ガクッ」
「ネロォォォォォォォ!!!」
「……氷嚢、いるか?」
怒涛の展開について行くのを諦めたメイドオルタは、とりあえず熱を抑えられそうなアイテムを取り出してくる。なお、自分に使う予定だったのだが、まだ残っているのでいいかと思い、差し出す。
エリザベートはその氷嚢を受け取り、ネロの頭に乗せる。
「まぁ、後は部屋に連れて行って寝かせておけばある程度はマシだろう。熱があるのに暴れるとは、バカなのか?」
「なぁっ!! 余はバカではないわ!! 別にふざけてるわけではないが、しっかり考えておるわ! とりあえずスキルを使っておけば良いのだろう?」
「どのスキルを使う気だどのスキルを。キャスターの時は回復スキルは無いだろう?」
「なに、今から花嫁衣装に着替えれば何も問題ないな。第三スキルですぐに回復だな」
「それでこれが治るなら苦労しないだろう。大人しく寝ていろ。後四日くらいで収まるだろうしな。マスターが解決しに行っているのだから、問題ないだろう」
「ふっ……余はその程度の時間、何とか持つに決まっておろう。最悪ガッツスキルの連用で何とかなるわ」
「強引ねこの皇帝」
「いっそ清々しいな。見届けてやりたいが、私も意外と辛くてな。このビデオカメラを渡すから、エリザベートよ。貴様が撮ってやれ」
「ぬぐぐ……余の苦しむ姿を見て楽しむとは中々酷いな貴様」
エリザベートは受け取ったビデオカメラを軽く使ってみたりして、映りを確かめている。
ネロは何とか動こうと、ガッツスキルを使って無理矢理起き上がると、力を振り絞って置いてあった水を一気に飲む。
メイドオルタはまさか自分が飲むために置いておいた水を飲まれるとは思っておらず、止める間もなく飲まれてしまったので、回復したら痛い目を見せてやると決意するのだった。
「うむ。ある程度回復したからな。余は着替えてくる!! 水着だと回復できなくて辛いからな!!」
「何言ってるのかしらこの皇帝」
「まぁいい。私もそろそろ部屋に戻るつもりだったからな。回復した時に見るビデオが今から楽しみだ」
そう言うと、三人は休憩室を出て分かれるのだった。
決めました。今回のイベントはマスター方面を一切書かないで寝込んでるのを書こう……何となく、そっちの方が楽しい気がしてきた。